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「ちょっと、聞いてます?冨岡さん」

私は目の前の人物が苦手だ。
とっつきにくいというか、なにを考えているのかわからないからだ。



「…とーみーおーかーさん!」

「…鬼だ」

「あ!ちょっと!」



昨日、(からす)の伝令を受けてこの地に来たはいいが、大雪で思ったより街や山を見て回ることはできず、藤の家で一晩過ごすことになったのだが、あらビックリ、水柱の冨岡さんまでいらっしゃる。


聞けば、この近辺は今、鬼が多発しており、恐らく……ヤツが身を(ひそ)ませているのではと(まこと)しやかに鬼殺隊では囁かれているらしい。



「全く…独断専行、協調性のカケラもない…」



雪道で、突如としてあらぬ方向に走り出した冨岡さんの後をゆっくりと追いかける。

そちらの方向からは微かに血の匂いがして、確かに少年が少女の鬼に襲われている。



「はぁ…、冨岡さん、私は(貴方と行動を共にしたくないので)この先に民家があるらしいのでそちらの様子を伺ってきますね」


心の声は一生、目の前の人物に届くまい。


「承知した」



冨岡義勇は一瞬、視線を移すとそう声を発した。
それを聞いて、私は彼とは違う方向に走りだす。
いや、走る必要性はないのだが、彼が走って鬼に向かってるのに、歩いて民家に向かうのはいささか気がひける。




「あ、あれが一番山奥にあるっていう民家ですね」


私は独り言をつぶやく。
血の匂いがキツくなる。

慣れているとはいえ、やはりこの匂いがすると
独り言で緊張をほぐす癖が出てしまう。




「失礼いたします…」


開きっぱなしの戸を(くぐ)ると、無惨な姿になった子供達とその母と思しき遺体が血まみれで転がっていた。
恐らく、先程鬼に襲われていた少年の家族であろう。



「鬼め…」


腰に携えた剣の鞘をギュッと握りしめる。
雪が降り積もってなければ、あと半日…いや数時間でも伝令が早ければ……



遺体に両手を合わせて祈る。



「どうか…安らかに…」


私は来た道を再び、踏みしめて歩み、
鬼と交戦中、いや既に首をはねて、少年のケアをしているであろう彼の元へと急ぐ。





「あの人にケアなんてできるのかしら…」

弐→



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もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時

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