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肆拾陸 ページ46

「禰豆子!ダメだ!耐えろ!!禰豆子!!」



竃門くんは尚も暴れ、人を襲おうとする禰豆子を止めようと後ろから羽交い締めにする。

私はまだ刀を禰豆子に向ける。



「お願いします!待って下さい!俺が禰豆子を止めますから!禰豆子を斬らないでくださいっ!!」



まだ人を襲ったわけではない。
だが明らかに襲おうとした。

禰豆子が人を襲えば…彼が腹を…。



そんなことを考えていると、禰豆子は竃門くんを振り払おうと上に跳ぶ。

天井を突き破り、二階に行ってしまう。
私もその穴から二階に飛び、竃門兄妹を追う。




「眠るんだ!禰豆子!!」

「竃門くん、退いてください。明らかに理性を失ってます。私が斬ります」

「もう少しだけ!お願いします!!待ってください!!」



退こうとしない竃門くんに少しイラつく。
彼にとってはかけがえのない、守らなければならない妹なのかもしれない。

でも、私にも守りたいものがある。



「退きなさい!!」

「まぁ、落ち着けよA」



肩に手が置かれる。
声から宇随さんだとわかったが、触れられるまで気がつかなかった。

目の前の状況に必死で、周りが見えないなんて柱失格だ。



宇随の方を見れば、先程禰豆子に足蹴にされ飛ばされていった上弦の鬼が頸を斬られた状態で立っている。




「おい、妹をどうにかしろ。地味に子守唄でも歌ってやれ」



宇随のその言葉に竃門くんは子守唄のようなものを歌い出した。

すると禰豆子は次第に大人しくなり大声を上げて泣き出したかと思うと眠りに落ちていった。




私は小さく息をつく。



「宇随さん…すみませんでした。」

「まぁ気持ちはわからねぇこともない。アイツの命がかかってるからな…、だが周りを見失うな」


「はい…。」

「アイツは上弦の鬼じゃねぇ、行くぞ」


宇随は家屋を出ようと一歩踏み出す。



「待ってください、私もさっきアイツの頸を斬ったんです。…けれど死んでいません」

「…どういうことだ」





「わーーーん!!!!」


突然大きな泣き声がして、私と隣の宇随はビクリと肩を震わせ泣き声の方を同時に見る。



「頸斬られた!頸斬られちゃったアアアア!!お兄ちゃああん!!!」



鬼がそう叫んだ瞬間。鬼の身体から、男が出てきた。
いや、男の鬼が這い出るように出てきた。



それを視認した瞬間、私と宇随は同時に斬りかかる。




まだ戦いは終わっていなかった。

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もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時

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