肆拾壱 ページ41
「善逸がいなくなりました」
私は竃門くんの言葉に思わず目を細めて眉根を寄せる。
何のために私はここに来たのだ。
思わず拳を握りしめる。
「俺はときと屋を出ます」
「鬼の居場所に心当たりがあるのですか」
「伊之助が、潜入してる荻本屋になにかがいると。それと…」
「我妻くんがいなくなった京極屋ですね」
「はい」
「宇随さんはなんと?」
その言葉に今度は竃門くんが眉間にシワを寄せて私から目をそらす。
「死にたくなければ
「……そうですか…」
「ですが俺は善逸を探します」
竃門くんの言葉に私は微笑んだ。
上に命じられたらその通りに動くようでは煉獄には程遠い。
「気をつけて、私も隠した隊服と日輪刀を回収したらすぐに合流します」
「わかりました」
竃門くんは私と話していた物置部屋から音を立てないように出て行く。
私も早く出なければ…。山積みになった荷物を少し移動させ、埋もれていた桐の箪笥から隊服と日輪刀を取り出す。
芸者として来ていた着物をスルスルと脱いで、これまた綺麗に
鬼殺隊の隊服に袖を通し、羽織を羽織る。
長い髪を懐から取り出したゴムで纏め、日輪刀を手に取る。
ドクン…
その瞬間、"感じ"た。
禍々しい程の欲しいという欲望を、食べたいという欲求を。
上を見上げる。
そこは確かに鯉夏花魁の部屋だ。
「鯉夏さんっ!」
私は日輪刀を掴んだまま物置部屋を飛び出した。
すれ違う遊女も、
鯉夏の部屋の襖を蹴破る。
鯉夏に向かって、長い帯がすごい速さで向かっているのが見える。
「雨の呼吸_____壱ノ型_____
「Aちゃん?!」
「鯉夏さん、下がってください!」
鯉夏を庇うように鬼に向かって日輪刀を構える。
鬼の目には"上弦 陸"の文字が刻まれている。
「鬼狩りね?」
不利な状況に思わず舌打ちしてしまいそうになる。
鯉夏を庇いながら上弦と戦うのは簡単ではない。
「あんたは柱?」
「さあ?柱だったらどうなるんですか?」
「殺す!」
何本もの帯がかなりの速さで向かってくる。
「雨の呼吸_______拾ノ型_____
全ての帯を切り落とす。
「今のでわかった、お前柱だね」
422人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時