拾壱 ページ11
私は腰から日輪刀を抜く。
日輪刀は先が白っぽく、
刀身の一番柄に近い部分には"悪鬼滅殺"の4文字。
「雨の呼吸___弐ノ型_______
大きく息を吸い、肺に貯めると私は日輪刀を地面に叩きつけた。
いや、地面を切った。
私を中心に大地に大きく亀裂が入り、所々地面が崩れる。
恐らく、崩れたところは鬼によって空洞にされていたのだろう。
崩れ落ちた一部分から巣穴を崩されて発狂した、醜い鬼が現れた。
「食ウ…お前ら…食ったら……十二鬼月に…戻れる…」
「もう終わりです、地中から出てきた時点で、貴方の首は断たれています」
「水の呼吸_____肆ノ型____打ち潮」
冨岡義勇は鬼の首を静かに切り落とすと日輪刀を鞘に納める。
私もそれを見届けて同じように刀を鞘へと納めた。
「どうやら…私を貫いたのはこの鬼の爪だったようですね」
自身が着ていた羽織を脱ぎ、引き裂くと貫かれた脇腹を圧迫するように縛り付ける。
塵と化し消えていく鬼の瞳には、"下陸"の文字。
しかしその文字は大きな傷によりかき消されている。
「隊服を貫通する程の威力ではありましたが、結局十二鬼月ではありませんでしたね」
そう言って斜め前に立つ冨岡さんに近づこうとした時、足がもつれる。
呼吸で痛みも出血もマシかと思っていたが、どうやら自分が思うより出血しているらしい。
地面に膝をつきそうになる寸前、二の腕を掴まれる。彼しかいない。
「冨岡さん、その支え方はいささか女性には失礼ではありませんか?」
悪態をつきながらも、なんとか踏ん張り膝を立たせる。
「私はここで
「…乗れ」
「……へ?」
冨岡義勇は私の前に後ろ向きでしゃがみ込んだ。
乗れ?
乗れ?!
「け…結構です!
冨岡義勇はおもむろに立ち上がると、半々羽織を脱ぐ。
と、私の肩にそれをかけると再び後ろ向きに跪いた。
「隠がおぶるか、俺がおぶるかの違いだ。乗れ」
「で、でも…」
冨岡義勇はその体制から一切動かない。
「後から重いなんて…言わないでくださいよ…」
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もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時