33.【主導権】 ページ35
小学生たちはパス練習を始めた
コートの傍らで、私と翔陽君はその様子を見つつ、二人の話に耳を傾ける…
繫心さんは、一繋さんに影山君と翔陽君の《変人速攻》、そのことも含めたこれからの指導に行き詰まっていることについて話していた
一繋「で、その変人速攻をどうすりゃぁいいのか、お手上げ状態で逃げて来たのか?…え?コーチ?」
ぐうの音も出ないとはまさにこのこと…ばつが悪そうに繋心さんは目を逸らす…
一繋「お前のチームだろうがぁ!!根性なしがぁオラァァ!!」
日向「コーチィィッ!!??」
目の前で繋心さんが投げられたのを見て驚く翔陽君…
私も青葉城西高校のエースの人がセッター兼主将の人を背負い…ぶん投げているのを見たことがあるが…うん…なるほどまだまだお若い…
日向「お、おぉお願いしゃーっす!!」
次は自分の番とでも悟ったのか、怯えながらも翔陽君は構える
一繋「何がだ?誰彼構わずぶん投げたりしねぇよ、根性なしだけだ…」
繫心「クソジジイ…!」
日向「お、俺は自分で戦えるようになりたくて来ましたっー!!」
一繋「その身長で、空中戦を制したいと?」
一繋さんは問う…
日向「この身長だからです!」
彼のその迷いのない返答に、何かが重なったかのように、驚いたような顔を見せる一繋さん
日向「俺、変なこと言ってるかもしれないけど…」
自信なさげにぼそぼそという声になる翔陽君…だが…
一繋「何が変なんだ?」
一繋さんの言葉にはっと顔を上げる
一繋「たとえ、どんな天才セッターが相手だろうと、速攻という攻撃において、絶対的主導権は《お前》だ」
その言葉に首を傾げる繋心さん…あ、嫌な予感がする…
一繋「コーチのおめぇがキョトンとしてんじゃねぇ!!オラァッ!!」
繋心さんを背負い投げる一繋さん…(本日二回目)
退院後、既に再入院しないか不安になってきた…
一繋「まずはテクニック以前、意識の問題だ。お前自身はその《変人速攻》ってやつをどう考えてる?」
一繋さんの問いに対して翔陽君は、相変わらずの擬音の多い説明だったが、繋心さんが上手く説明してくれた
繋心「えぇ…いや、つまり、こいつが目をつぶって飛んだところに影山ってセッターがピンポイントにトスをくれるんで…」
一繋「まぁ、言いたいことは分かった。しかし、間違っているぞ…ちびすけ。その《変人速攻》ってやつも速攻である限り主導権は《おまえ》が握っている。」
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時雨(プロフ) - ハイキューオタクさん» ハイキューオタクさん!!読んで頂き本当にありがとうございます!!一日で!?凄い!ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです!!お話は爐海海泙任僕泙┐燭い覆´瓩隼廚い弔弔眞罅甲翕喩消爾砲覆辰討靴泙事もあるので( ;∀;)これからも更新頑張ります! (2021年6月5日 1時) (レス) id: 74ffe8a644 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキューオタク - 一日で全話読みました!一話読むと、つぎの話が気になって仕方がなかったです笑 (2021年6月3日 6時) (レス) id: c4cac8733c (このIDを非表示/違反報告)
作者・時雨 - あこさん!!コメントして頂き本当にありがとうございます(*≧∀≦*)ここ最近はなかなか執筆できず、申し訳ありません(/ _ ; )こうして感想を書いて頂ける事をとても光栄に思います!!近日中にはまた更新を再開しますので、どうぞ宜しくお願い致します! (2020年4月2日 1時) (レス) id: d4c8cf5f81 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 一気に最新話まで拝見させて頂きました!描写を一つ一つ丁寧に執筆されている所が非常に良かったです…そして号泣です。有難うございますm(__)m続き、楽しみにしています! (2020年3月25日 3時) (レス) id: 5180ecc88d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2020年2月13日 1時