お隣さん.36 ページ36
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「あのふっかが信頼したんだし、俺はあんまりあんたのことは心配してないけど。」
「何事にもひたむきなAちゃんなら、大丈夫だよ。
俺らも近くにいるしいつでも頼ってね。」
ぶっきらぼうだけど励ましてくださっている渡辺さんと、優しく見守ってくださっている宮舘さん。
「本当に色々に巻き込んじゃって申し訳ないんだけど、これもふっかに惚れた弱みだと思ってください。こいつは昔からこういう奴です。
俺もこの話を進めた身として、出来る限り支えるから。これからも上司としていつでも頼ってくれると嬉しいな。」
上司として、彼の同級生として。
誰よりも頼もしい岩本さん。
そして、
「あの時助けてもらって、女を引き剥がすのも協力してもらって…俺が振り回してばっかだったのにそれでも彼女にしてくれって言ってきたってことは、わかってるだろうけどこれからも俺はAちゃんを振り回していくわけだ。」
「…堂々と宣言するのもどうかとは思いますが、振り回される覚悟は出来てます。」
「会社の経営なんて当たり前だけど初めてだし、昼間の世界にそもそも慣れてない。迷惑しか掛けないけど、それでもいいの？」
「なに今更弱気になってるんですか。
もう会社はやるって決まってるんでしょう？
しっかりしてください、社長。」
何故かこんな時に弱気になる深澤さん。
そんなもの今更だと言い捨てれば、割り切れたのか笑顔を見せる。
「何回でも言うけど、そーいうとこ。
俺にそうやってずばずばもの言ってくれるとこが何より大好き。あと味噌汁。」
「なんで今なんですか！！」
「あ、照れたー。
ってことで、今日は決起集会です。
気合入れるために宮舘シェフ、夕食のご準備お願いいたします。」
Aちゃんも味噌汁作っといてねーって呑気な…。その言葉を聞く前に恥ずかしくて、キッチンに逃げ込んでいたけれど。
皆さんはいちゃつくなよーと、からかっていらっしゃる。
…いつまでも笑顔の絶えない方たちだ。
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作者名：しぅ
| 作成日時：2021年4月30日 7時
