お隣さん.16 ページ16
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「結局お前が巻き込んだだけじゃん。」
ほんとお前さー…と岩本さんに叱られているふっかさん。小さくなって項垂れている様はさながら幼稚園児が母親に怒られているよう。
「…あ、阿部さんの言ってた「照」って…」
「阿部には会ったんだ。
俺の事だろうね。
…で、大丈夫?無理してない?」
「いえ。自分で決めたことなので。」
せめてもで仕事が負担になるようなら出来る限り協力するからと言ってくださった岩本さん。本当に、いい人だ。
「ふっかは早めに女を遠ざけに行くこと。上村さんだって気が気じゃないだろうし…。」
「分かってるって。
明日ケリつけようと思ってたの。」
次は拗ねてる。
岩本さん相手だと本当に幼稚園児みたいだ。
「…って、明日?」
「予定空いてるか聞いたでしょ?」
「はぁ…。たしかに暇ですけど。」
そんな急に言われても。
そもそも女を遠ざけるってことは、その女の目の前で彼女を演じるわけでしょう?
「…心の準備が。」
「大丈夫、大丈夫。
いつもの俺と話してるみたいにしててくれれば。阿部ちゃんもいるし。」
あっけらかんとする彼に岩本さんと呆れるしかなかった。そもそも、どうやって会社に入ったんだろう。完全に部外者なのに…。
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作者名:しぅ | 作成日時:2021年4月30日 7時