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「…そりゃ、好きな女が他の男に口説かれてたら誰やって嬉しくないやろ。」
「………はい？？」
「もう言わんからな、俺は！！」
恭平の浅黒い肌でも分かるくらい、赤くなっている。こんな恭平は産まれて長い事一緒にいるけど、見たことない。
「…恭平、私の事好きなん？」
「……。ずっとな。」
こんなはずやなかったのに…と項垂れている。
「本当は、もっとちゃんとした場所で気持ち伝えたかった…って、お前、何泣いてるん！？」
「……ずっと、嫌われてるんやと思ってた。ただ、勉強見たり、家事がちょっと出来て都合がいいから傍に置いといてるだけやって。」
歳を取るごとに冷たくなった態度。それに勝手に傷ついて、泣いて。そんな時期に出会ったのが藤原先輩やった。学校行事の時に仲良くなって、元々恭平とは顔見知りだったらしくて「彼女ちゃん」なんて呼ばれたから「そうなれたらいいんですけど」って私がぽろっと言ってしまったのがきっかけで恋愛相談をしていた。
話す度に「Aもまだまだガキやな〜」って笑われてたけど、そんなおおらかさが傷心していた私には心地よくて。恭平のことで辛くなったときは、決まって藤原先輩に話を聞いてもらってた。
「……どう接していいか分からんくて。」
「素直な恭平でいいよ…って言おうと思ったけど、あんた根から捻くれてるとこあるもんな。」
「うるさいわ。……藤原先輩がお前のこと落とすために近づいたのやって、分かってた。焦って、余計に冷たく当たってた。」
ぽつぽつ話してくれる恭平に、恭平なりにも思うところがあったんやなって。
「あんな、恭平。」
「ん？」
「私も、好きやねん。恭平のこと。藤原先輩には、ずっとそのこと相談してた。」
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作者名：しぅ
| 作成日時：2022年9月2日 15時
