あなたのいる生活。

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「違う！！！そうじゃなくて、夢でも私と一緒にいるところ見たりするの？って聞きたかったの！」


「そんな照れなくても。今更じゃん、朝から襲われるのとか。」


「それはなおがマイペース過ぎるからでしょ！私は一度として許可したことないです！！」



俺の職業柄、会える時間はかなり限られる。…いや、俺なんてまだ暇な方だけど。それでも仕事の時間って不定期だから、数日間離れなきゃいけない挙句に次会えるのは午前中だけなんてこともある。そりゃ久しぶりに会えたんだから、触れたくもなるよね。



「…私は、なおとの夢、いっぱい見るよ。」


「ふーん。迫られる夢？」


「違うってば！一緒にご飯食べたり、お出かけしたり。なんでもないけど一緒にいる風景が見られることが多いの。」



ドラマの中で、香取が言ってた。夢って願望の現れだって。Aから寂しいなんて言葉を聞いた事はあまりないんだけど、無意識のうちに寂しくさせて、そういう夢を見させていたのかもしれない。



「…今度の休み、どっかデート行こっか。」


「急だね！？いいけど…どこ行くの？」


「Aが夢で俺と行ってたって場所、教えて。そこがいい。」


「うん……？でも、水族館とか、遊園地とか、あるいはランチだったりとか…観光地とかじゃなくて、ちょっとした場所ばっかりだよ？」


「いいの。教えて。」



水族館、遊園地…どれもAの遠足先だったり、友達と行って楽しかった場所だったり、Aにとって思い出の場所だったみたい。そこに俺と一緒に行く夢をよく見るんだって。それって「俺と思い出の場所に行ってみたい」っていう願望の現れでしょ？彼女が無意識のうちにそんなこと思ってくれてるなんて、嬉しいよね。



「…観覧車の中でチューしてた？」


「……。」


「してたんだ。」


「うるっさい！」



からかいながらあれこれ予定を立てる束の間のオフ。午後からは仕事だけど、今日は「疲れた」「帰りたい」なんて言わなくてもよさそうだ。





***



役柄 fin.

無意識に甘えたい彼女ちゃんと、ドラマを通じてそれを汲み取って寄り添おうとする織山くんのお話。

マシュマロリクエストより、「役柄」を織山尚大くんでドラマ「高良くんと天城くん」ver.でした。リクエスト、ありがとうございました。





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