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次に予定が合った日、佐久間くんは行先を事前に教えてはくれなくて。
「どこ行くの?」
「めっちゃいいとこ!」
聞いてもそれだけしか教えてくれない。
着いたのは、お値段の張りそうなホテル。
「えっ…??」
戸惑う私を他所に、佐久間くんは受付を済ませて手を引いてとあるお部屋へ。
「ここねー、モニターが大きいし、色々飲み物とかご飯頼むとお部屋に持ってきてくれるからアニメ観賞にはいいとこなんだよ!」
Aちゃんと来たかったんだーってにこにこ笑顔。恐らく他意はないのだろうけど、これがふっかだったら逃げてた。貞操の危機を感じる。
そのまま佐久間くんおすすめというアニメのDVDを一緒に見ながら、ご飯も好きなものを食べて…。いつものランチにアニメが付いた特別な休日を過ごした。
「どうたった…かな。」
「すっごく楽しかった!今度は私のおすすめ作品も見せたいくらい!」
「えへへ、じゃあ今度DVD用意しといてよ。レンタルショップに一緒に借りに行ってからっていうのも、いいかもね!」
新作の観賞会して語り合うのも楽しそう〜!と一緒に燥いでいたけど、受付まで降りて思い出す。
「お金…。」
「いいのいいの。いつも俺の我儘に付き合わせちゃってるお礼。」
確かに佐久間くんに呼び出されて、こうして一緒に出掛けてる。傍から見れば、私は都合のいいように付き合わされてるのかもしれないけど。
「私は、私が楽しいと思えるからこうして毎回佐久間くんと一緒にいるの。だから、私だって、払いたい。」
いつもランチの時だって、自分の分は自分で払っていた。それは楽しい時間の対価だと思うし、そのため働こうという意欲に繋がるのだから自分にとってデメリットは何もない。
「んー…。じゃあ、ランチの代金だけもらおっかな。場所代は俺からのプレゼントってことにしといて。」
ちょっと渋るかなって思ったけど、受け入れてくれた。だから、後者の内容は私が佐久間くんの提案を受け入れることにする。こんなスタイルで過ごす休日が段々と増えていった。
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作者名:しぅ | 作成日時:2022年5月11日 16時