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彼女と連絡先を交換しておいてよかったなって。ランチを関係者だけの貸し切りにしてレストランで食べることになった。これなら彼女も呼べるなって思って、電話してみる。



「…なんですか。」


「あ、よかった、繋がった。昼飯を小さな店貸切って食べようって話になったんだけど、都合よけれ
ば一緒にどうかなーって。」


「お店の場所、送っておいてください。なるべく早めに支度していきます。」


「ほーい。」



パーティの時に遠目で見ていた時、彼女なら佐久間の熱量についていける、隣で支えてくれる器があるって直感で思った。女の子に関する直感なら結構当たるからね、俺。だからこそ、ちょっとお節介を焼いてでも、この恋は叶えて欲しいと思った。



「佐久間―。」


「んあ?」


「今日の昼飯、Aちゃん呼んどいた。」


「へあっ!?」



待機場所になっていた楽屋を落ち着きなく右往左往していたかと思えば、ちょっとむっとして「連絡したの?」って聞いてくる。



「だって誘うつもりなかったろ?」


「う…。…提案してくれればよかったじゃん!」


「俺が先に思いついちゃったんだもん。」



お前がもんとか言ったって可愛くないからな!!とか、段々論点がずれてくけど、それが佐久間大介という男。彼女はそんな佐久間のぶっとぶ話も「はいはい」って笑って聞ける子だったから。



「…まあ、ありがと。」


「ん。どういたしまして。」



それにこうしてすぐ他人に感謝出来たり、すごく素直で他人思い。ユニットのためを思って自分の性格まで変えてくれた佐久間に、幸せになって欲しくないわけがない。



ランチを終えて、Aちゃんを送ってくると佐久間が出て行ったタイミング。



「Aちゃん、話しやすかったね。翔太くんはなんで仲悪いの?」


「仲悪いっていうか、馬が合わないんだよ。前回のパーティで顔合わせた時に初対面で「嫌い」ってお互いがすっぱり言い切ってた。」


「それを知ってたからふっかさん、あんなに笑ってたんだ。」


「うん。だって翔太が会って2回目の子に「渡辺」って呼ばれるんだぜ?」


「そう言葉にしてみると、確かに面白いかも。」



そんな話をラウとしてたら、自然とみんなの話題がAちゃんと佐久間のことに。





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作者名:しぅ | 作成日時:2022年5月11日 16時

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