おわりに ページ18
.
お仕事が忙しい彼の束の間のオフに、久しぶりに映画館まで足を運んだ。
「やっぱ高級ホテルで見るのもいいけど、映画館だよね〜。」
「オタクは黙って劇場まで足を運ぶもの。」
事前に取ってあったムビチケで入場して、観劇。声が聞こえた時には、これまでのことが思い起こされてそれだけでも泣いてしまった。
久しぶりに出会った頃のように、映画館近くのカフェで感想を語り合う。映画としての感想を一頻り伝え合った後に。
「……叶えたよ。」
「うん。頑張ったもん。」
今日はあの日ゆびきりを交わした約束を叶える日だった。夢をかなえた作品を一緒に見る事。あの当時は描いてもいなかった恋人として観に行く未来。
「まさか、声優も主題歌も同時に叶えちゃうなんてね。」
「それは俺も思った。…これを聞いた時、誰よりもAに伝えなくちゃって思って急いで連絡したんだよね。」
そうだった。まだ解禁前の情報だったのに、彼は焦るあまり私に伝えてしまって大騒ぎになったんだっけ。おっちょこちょいなところは何も変わっていない。
「…赤い糸ってテーマが、俺たちにぴったりだなあって思ってさ。生まれ変わり逢いに行くの部分は、Aのこと思いながら歌ってた。」
「…ちゃんと迎えに来てよね。」
「当たり前。」
遠い未来をまたゆびきりで約束をした。
.
ここまでの閲覧ありがとうございました。
作者のしぅです。
本編の方はひとまずこのお話で完結となりますが、これ以降のお話でサイドストーリーの連載を続けます。
私の作品の中でもお隣さんシリーズをご覧いただいた方には想像しやすいかと思いますが、本編の内容をまた違った視点で、主人公の知らない場所でこんなやり取りがあったというお話になります。
今回はこの物語でも何かと話題に上がることの多かったあの方視点でサイドストーリーを連載しますので、もうしばらくお付き合いくださいませ。
▼ お隣さんシリーズとは
お隣さんのお隣さん【紫】
▼ 同時連載
フランス人形は笑わない【紫】
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぅ
| 作成日時：2022年5月11日 16時
