chelsea【桃】 (ページ14)

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気付いてしまうとこれまでと同じことでも急に恥ずかしく思えてきてしまうもので。映画館に向かう時も普通に手を繋がれていたことをこれまで特に意識なんてしていなかったけど。手が触れただけで飛び上がるほど驚いてしまった。

「どしたのー？」

「なんでもないっ！」

慌てて誤魔化したけど、手を繋ぐことをやめない佐久間くんに心臓の音が聞こえていないか不安だったり。

それと、ひょんなことでもヤキモチを妬いてしまって。共演者さんだけに限らず、メンバーとでさえあまりにも仲の良い話を聞くとむっとしてしまう時がある。誰よりも佐久間くんの一番でいたいと想ってしまう。今までの自分では考えられないほど、彼に捕らわれて。彼のことになると奥手で、小さなことでも不安になって、でも素直になれない。

「不審がられるのも嫌だし…でも私、上手く伝えられないし…。」

「あーよしよし。泣くな泣くな。」

相談会という名の飲み会。ふっかをサシで誘ったはずが、何故か渡辺とめめ。実質4Bの集い。

「…何故。」

「めめは佐久間と一番感性が似てるから。どう思うか聞くのに役に立つかなって思ったから。翔太は佐久間とは毛色が違うにしても役に立つよ。9人で唯一の彼女持ち。」

「…えっっっ！？」

ふっかが「まあ、俺がB型揃って飲みたかっただけ！」なんて言っていたのは聞こえていなかったくらい、驚く。こいつ、彼女いるの…？

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