10 ページ11
.
佐久間くんたちに出会ったことで、なんとなく彼らのことが気になり出して。YouTubeがあると教えてもらって見始めたり、こっそり雑誌を追ってみたり。彼らの職業柄、恋愛観を聞かれることも多いのだけど…。
「また、私と同じ…。」
佐久間くんの語る恋愛観が尽く私と被る。
「何の偶然だと思うー？」
「直接聞いてみれば？それは佐久間にしかわかんないことだし。」
他に話せるような相手もいなくて、飲みの席でしょぴに聞いてみてもまともな返答は返ってこない。
「「私、佐久間くんの恋愛観に合うけど、どう？」って聞くの？そんな自分に自信ある奴じゃないから。」
「だろうな。」
拳で語る羽目になりかけて、他のメンバーに全力で止められてたとかいう話は飲みの席だったからもちろん記憶にない。B型、混ぜるな危険。お酒を飲ませると更に危険。
.
そんなことは露知らずな佐久間くんとは、相変わらず予定が合えば一緒にアニメの鑑賞会をして。前と変わってきたのは好きなアニメの劇場版作品が公開されたら映画館まで足を運ぶようになった。…なので見るのは専らアニメ映画なわけだけど。そして見終わると近くのカフェに入って感想を思い思いに話す。オタク友達としての付き合いになっていた。
「やっぱ劇場で見るって違うよねー。」
「わかる〜。家のシアターとかとはまた違う緊張感っていうかさ。」
今日も今日とて作品の余韻に浸りながら、感想を伝え合っていると、不意に佐久間くんがいつもの花が咲く感じとは違う。例えるなら花が散るときのような、儚い笑顔を見せた。
「いつか、ここで俺の声が流れるのが夢。その時、主題歌としてSnowManの曲が流れるのが、もっと大きな夢。」
彼にはアイドルとしての夢だけではなく、声優もやりたいという野望まであったらしい。本人に会う機会はもちろんのこと、YouTubeやら、雑誌やら。佐久間くんに出会ってから彼の人柄は人一倍見て来たつもり。
「大丈夫だよ。佐久間くんなら。いつもたくさん努力してるもん。」
「…うん。応援してくれる？」
「もちろん。もしその夢が叶ったら、一緒にこうやって映画館に見に行こうね。」
カフェで子供みたいにゆびきりをして、約束をした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぅ
| 作成日時：2022年5月11日 16時
