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少しのおめかしをして、パーティに参加する。既に華やかな会場にはまばらに人がいて、談笑をしていた。関係者ばかりだろうし、私を誘った友人も「ちょっと挨拶行ってくるね」と言ったきり、なかなか戻ってこない。それもそうか、こんなに人がいれば。

とりあえず飲み物をもらって、少し口を付けてみていた。



「……思ったより苦い。」



フルーツカクテルにしてもらったけど、お酒って苦いんだ。ちびちびと飲みながら、声を掛けてくれる人には少し言葉を返す。…とはいえ知らない人ばかりの空間に委縮してしまって、上手く言葉を返せているかもわからない。ただ挙動不審の奴と見られていたかも。

途端、辺りがわっと騒がしくなった。ひそひそと話し声が聞こえる。



「SnowMan…!」
「本物だあ…。」



10人くらいいるだろうか。男性が一気に会場へ入って来た。まあ顔のいい人が揃っていて、女性陣は色めき立っている。自ら話しかけに行く女性も後を絶たない。



「…大変そう。」



入って来た時の印象はそんなものだった。女性に話しかけられても、にこにこして応対する人、完全無視な人、困り顔の人…と三者三様の反応ではあったけど。彼らが来てから、パーティの中心部は更に賑やかになって。彼らを知らない私は完全に蚊帳の外で、縮こまっていた。

遠目で眺めていて分かったのは、賑やかと言えば聞こえはいい、悪く言えば煩い奴らだった。数えたところ9人ひと塊らしい奴らは、ずっと楽しそうに喋っていて、つられて会場全体も盛り上がっていくような、不思議な魅力がある人たちだった。



「おーい、君ー!」
「な、なんですか…。」
「そんな隅にいないでさ、こっちおいでよ!」



さっきの女性陣の反応といい、彼らのルックスといい、芸能人だろうし…。あとでファンからやっかみを買うのはごめんだから、出来るならば関わりたくなかったんだけど…。こちらに笑顔で駆けて来た子は周りの子と比べると背の小さい、可愛い印象の子だった。ふわふわのピンク色の髪。繊細そうな白い肌。花が咲くような笑顔。なんだか、桜みたいだなあと思った。





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作者名:しぅ | 作成日時:2022年5月11日 16時

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