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side.raul
歌舞伎の期間中は忙しくて。
なるべく月曜日の休演日には、学校に顔を出すようにしていた。
僕が学校へ行くと、いつも笑顔で「おはよう」って声を掛けてくれるAちゃんがやっぱり好きだなって。それと同時に、この間のお弁当を届けに来てくれた日に言っていた「お嫁さん」って言葉が気になってしまう。
「…この間さ、しょっぴーのお弁当届けに来た時に言ってた「お嫁さん」ってどういうことなの。」
どうしても気になってしまって、歌舞伎の最終公演も近づいた6月の半ば。Aちゃんに直接聞いてみることにした。
「昔から、しょうにぃのことが好きでねー。
「お嫁さんになる!」って言い続けてきたんだけど、しょうにぃは「了承してない!」ってとりあってくれなくて…。
その割には居候のこととか了承してくれてるし、ツンデレなんだと思ってるけどね!」
「…それは、恋愛感情で好きなの?」
「んー、わかんない。
でも、うちのしょうにぃへの好きは確実に他の人への好きとは違うもので、うちは昔からそれを恋愛感情だと疑わなかったから…。」
勝てないなって、悟った。
彼女の好きという気持ちに俺が入る余地はないみたい。
これでしょっぴーが彼女のことを好きじゃなかったら…なんて願いが過ぎるけど、それはないと思う。
彼女が作って来たお弁当をすごくおいしそうに食べていたから。
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作者名:しぅ | 作成日時:2021年7月30日 21時