おにーちゃん！【青】 (ページ32)

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side.fk

一通り翔太の結婚ネタ弄りも終えて自然と解散になった。
俺も帰ろうと鞄に手に取ったら、舘さんに声を掛けられる。

「ふっか、この後も暇でしょ？」

「え、確定なの？俺の予定無視？」

実際何も予定はないし、いいんだけどさ。
翔太と舘さんと俺だけが残った部屋。
まだ翔太から言いたい事があるのかと思ったら、口を開いたのは舘さんだった。

「ラウール、大丈夫？」

困った顔で、問う。
ほんと、周りをよく見てるよなあ。
翔太はきょとんとしてるし、知らなかったんだな。

「それで翔太に噛みつくほど子供じゃないよ、ラウだって。」

ラウは最初から勝ち目がないって言ってたし、受け入れてはくれるはず。落ち込むだろうけど、そこは俺だってフォローするし。

「そっか。
…なるべく気にかけてあげて。
俺らも協力出来る事はするから。」

翔太には幸せになってほしい、でもメンバー仲は壊してほしくない。そんな舘さんの気持ちが伝わってくる。分かるよ、俺もそう思うもん。

「…何の話なの。」

「ラウがAちゃん好きだって話。」

ラウの前では意図的に「あの子」って呼んでた。
名前を知らなかったわけじゃない。
なんならラウからもAちゃんがって聞いてたわけだし。

たださ、俺が不用意に名前呼んで気があるなんて勘違いさせてラウが誰にも相談できないなんて事態になったらまずいじゃん。

これ、数々の修羅場を潜り抜けてきた俺の持論。
変に名前で呼んだりすると、女の子からも男からも変な誤解をされる。変に気があると思われる。

翔太の問いに俺が答えたら「は？」とでも言いたげな顔。
こいつ、本当に全部顔に出る。
幼馴染じゃなくても分かる。

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