おにーちゃん！【青】 (ページ29)

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「いらっしゃ…奥の席、どうぞ。」

可愛いエプロン姿のAちゃん、再び。
またこの間の奥の席に通してくれた。

「よく会いますねえ。」

「そーだね。
案外俺と気が合っちゃったりして？」

「ファンの子に怒られちゃいますよ。
注文お決まりになりましたら、また呼んでくださいね。」

おちゃらけて話せるこの2人は空気感が似てるんだろうな。
そして俺は、Aちゃんの胸元に光るリングにも気付いていた。

「いやー、今日はいると思ったんだよねえ。」

カラカラ笑うふっかさんは、気付いているんだかいないんだか。
分かってて、何も言わないのかもしれないな。

「なんとなくで分かっちゃうとか、ふっかさんテレパシーでも使えるの？」

「使えねえよ。
てか、使えたらもう色々に乱用してるね。」

「ふっかさんが使うと乱用って言うより悪用になりそう。」

「おい、どういう意味だよ。」

ふっかさんが何も言わないのなら、僕からも何も言わない。
お互いに一番話したい話題を避け続けてしばらく。
ドアについたベルがひと際激しく鳴った。

「いら…しょーにぃ？どうしたの？」

「いや、ちょっと奥の席に用があって。」

Aちゃんの問いをさらっと流してこちらへずんずん歩いてきたのはしょっぴーだった。

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