22. ページ22
.
side.nb
「……しょーにぃがいいんだもん。」
「…んじゃ、我儘言うな。
俺はお前の望むことをしてあげられない。
俺の嫁になるっていうのは、そういうこと。
「普通」なんて到底無理な話なんだよ。」
お前の望むような「普通」の夫婦には願ってもなれない。
少なくともお前と結婚するために芸能界を辞めるって選択肢は今の俺にはない。
「アイドルとしてデビューした以上、例え芸能界を辞めたとしても「普通」ってのはなかなか難しい。週刊誌ってどこまででも追ってくるし。
それに、お前と結婚するために芸能界辞めるとかは、無いから。お前には、誰より俺と涼太の理解者でいて欲しいの。一番、デビューまでの俺たちの苦労を知ってるから。」
誰より近くでデビューを願い続けてくれたこいつがいたから、俺も涼太も諦めなかった。そしてようやく掴んだ光。それを離したくはないし、これからも誰よりも隣で支えて欲しい。
…ってなんかプロポーズみたいになってないか、これ。
「…ただ、この辺の夏祭りは無理でも、お前の大好きな夏祭りくらいだったら、いいかもな。あそこなら、理解がある人たちがほとんどだし。」
ばっと布団から飛び出してきた。
その顔は涙でぐしゃぐしゃになってて。
「…ぶっさいくな顔。」
「…しょーにぃに似合わないっていうのは、知ってるもん。」
シュンとした顔に驚く。
これまで、そんなことを言い出したことなんてなかったのに。
「…誰かに何か言われたのか？」
「地元の同級生でSnowManのファンの子がいるの。
Aちゃんに渡辺くんは似合わないよって…。」
ふつふつと怒りが込み上げる。
そんなこと言う奴の方が俺としては願い下げだけどな。
「…んなこと今更気にすんなよ。
嫌だったらとうの昔に追い出してる。
それに、お前、俺が教えたスキンケアきちんと毎日やってんじゃん。可愛くねえとか言わせないから。」
俺がきちんと勧めたスキンケアやってればすっぴんでも可愛いもんなの。メイクが出来ないとか言ってるのは前に聞いたことあったけど、そんなことしなくても可愛いの。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 812人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぅ
| 作成日時：2021年7月30日 21時
