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涼太と秘密の計画。
バレたら大変だからって、色々と手配とかしてくれてる。ほんとに、過保護な保護者。まあ、涼太がもしそういう立場になったら、次は俺らで協力することにしよう。
そんな俺らの苦労も露知らず、Aはチラシを片手に俺の元へ来た。
「夏祭り、あるんだって。行こーよー。」
「俺、その日仕事。」
「りょーにぃに休みだって確認取ってあるもん。」
こういう時の常套句は「仕事がある」って言うことも分かってんだろうな。てか、涼太も余計なこと教えるんじゃねえよ。
「それに、こんな人が密集するイベントは無理。
メンバーと行くだけでも騒ぎになったらめんどくせえのに、女と一緒にいるって知られたら炎上どころじゃなくて俺が謹慎食らうわ。」
「…しょーにぃの馬鹿。」
それだけ言って部屋に籠ってしまった。
俺がこういう仕事している以上、普通の女の子が憧れるようなイベントやデートスポットにはなかなか連れて行ってやれない。だから、俺なんかじゃない方がいいんじゃないかって言ってんのに…。
「……おい。」
「…。」
「…その日、代わりに飯連れてってやるから。」
部屋は電気も点けずに真っ暗。
布団にくるまっていることが廊下の光でかろうじて分かる。
それと、薄闇の中、見つけたもの。
「お前、これ……。」
「……この間雑誌の撮影で着たの。
丁度いいかなって買い取ってきて…。」
暗闇に色が溶け込んでいて分かりにくいけど、部屋の隅に浴衣が飾ってあった。色は恐らく紺色。
「…だからいつも言ってんじゃん。
俺はお前が行きたがるようなイベントには一緒に行ってやれないし、不定休だから一緒に出掛けられることだって多分少ない。下手したらなかなか家にいてやれない。
…お前は、普通の恋愛をするべきだよ。」
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作者名：しぅ
| 作成日時：2021年7月30日 21時
