おにーちゃん！【青】 (ページ3)

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side.raul

「翔太、今日お弁当は？」

「………あ。」

「急に食べたいって言い出したから急いで作って、どうせ朝なんて食べないんだからお昼に食べれるようにお弁当に詰めたのに！って苦情が俺のところに届いたんですけど。」

電話を終えた舘さんの第一声はこれだった。
苦笑いの舘さん。
黙り込んだしょっぴー。
何からつっこんだらいいのか分からず固まるメンバー。

「えっと、舘さんの彼女じゃなくて翔太の彼女から舘さんに苦情の電話があったってことね？」

「そうそう。」

「…悪ノリすんな、涼太。違うから。」

「……なんの話かよく分かんねえけど、次の公演まであんまり時間ないんだから、さっさと飯食うぞ。」

岩本くんの声でそれぞれ持参したお昼ご飯を食べ始める。しょっぴーはどうするのかなーって思って、見ていたらばんと扉が開いた。

「りょうにぃ、届けに…。何もこんな大集合してるときにうちのこと呼ばなくてもよくない？」

「まあまあ。翔太の食べるものなくて困ってたとこだったから。」

「今の時代ウーバーでもなんでもあるし、コンビニってものもあるでしょうが…。まあ、いいや。しょうにぃ、忘れ物。」

楽屋に平然と入ってきたのは見紛うこともない彼女。
驚きで口をパクパクさせていたら、彼女から声を掛けてくれた。

「ラウールくん昨日ぶり～。」

「え、うん。いや、そうだけど…。」

「あはは、びっくりした？」

「うん…。学校は？」

「うち、たまにモデルとかの仕事引き受けててさ。今日はたまたま1日撮影があって、その間ちょっと無理言って抜け出させてもらってる状態。」

学校よりは融通利くから、こんな日に忘れてってくれたのが救いだって、笑ってるけど…。

「えっと、翔太の彼女さんはラウとはどういうご関係？」

「だから彼女じゃねえって言ってんだろふっか！」

「え、お嫁さんになるって言ったもん！」

「俺は了承してねえよ！つか話ややこしくすんじゃねえ！」

珍しくしょっぴーがツッコミ役。
お嫁さん…か。
きっと彼女は昔からしょっぴーが好きだったんだな。

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