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その後は俺が気にし過ぎないようになのか、他愛もない話ばかり振ってくれたふっかさん。俺が誰かと一緒にいて気を紛らわせたいのも分かっていたかのように、話が止まることはない。
ちょこちょこ近くに来てくれるAちゃんをからかうのは止めて欲しいけど…。Aちゃんを眺めるために居座ってるのもきっとふっかさんにはバレてる。
外も段々暗くなってきて、店内のお客さんの組数もかなり減った。夜もやっているカフェだし、閉店ってことはないけど…Aちゃんはいつまでバイトなんだろう。
上がる前に声を掛けてくれたら、送ってってあげようかななんて考えていた時、来店を告げるベルが鳴った。
「いら…あれ、お仕事終わり？」
「ん。収録がちょうどいい時間に終わったから、迎えに来た。そろっと上がりだろ。」
「うん。」
フロアを担当していたAちゃんの声が明らかに明るくなった。
そっと入口の方を覗くと、来ていたのは舘さんとしょっぴーで。収録が終わったのなんて丁度おやつの時間くらいだったから…迎えに来たんだなって悟るには十分だった。
「うち、裏口から出るから、外で待ってて。」
「ん。…あ、店員さん、アイスコーヒーをテイクアウトでひとつ。」
「俺はアイスティーをもらおうかな。」
「はーい。
…あ、代金はうちが払うから！！
2人ともお仕事お疲れ様だから！！」
そんな仲良しなやり取りをして、押し問答で、結局しょっぴーが舘さんの分も払ってて。悔しいけど、かっこいいんだよね。
2人が飲み物を受け取って出て行く時。
しょっぴーはそのままドアを潜ったけど、舘さんはこちらを向いて手を振ってから出て行った。どうやら気付かれていたみたい。
「ラウ、ガン見してたからね。」
「…僕の中ではちらちら見てたつもりだった。」
「はいはい。
目黒からおっけーもらったし、今日は目黒の家で焼肉なー。」
帰りちょっと遅くなるって親御さんに連絡しとけよ、って最年長。やっぱり俺が気にし過ぎないように気を遣ってくれてる。この人も悔しいけど、かっこいんだよ。
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作者名：しぅ
| 作成日時：2021年7月30日 21時
