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ライブだから、朝早めに家を出る必要があり、あまりAを構う時間が今回は無かったと会場に向かう車内で思っていたけど…。
「…A、週明けの水曜日まで泊まるってさ。」
「…は？平日だろ？」
「通常学生は夏休みだから。」
涼太にどこから連絡があったのか分からないけど、Aは長期間俺の実家に泊まっていく上に、その間にある俺たちが立つライブには全部来るらしい。
「…チケットはどこから入手したんだ。」
「さあ…。」
「涼太が渡したわけでは。」
「ないね。」
俺らの親が渡したわけではないだろうし…。2人で思案することしばらく。会場に着いて車を降りたところで涼太が「あっ」と声を上げた。
「どうした？忘れ物？」
「いや、さっきの話だけど…。
…Aがファンクラブ入ってくれてるって可能性は？」
スマホも持ってないAがそんなことあるか…？
でも、それなら全てに辻褄は合う…。
「そうだとしたら、狙った公演全部当てて来たってことだろ？どんだけ強運なんだよ…。」
「あはは。言えてる。」
涼太は既に会場前で記念写真を撮っていたファンの子がチケット片手にしているのを目にして思いついたという。なんか、身内だからきちんとチケットを取るって頭が無かったな。
「翔太、涼太、おはよー。」
「おはよう、佐久間。」
「はよ。」
昨日は急に楽屋を飛び出して行ったから、それについて何かイジリが飛んでくるんじゃないかと身構えていたけど。佐久間も普通に挨拶するだけだし、ふっかもいつも通り腰が痛いってソファに寝転んでるし…。涼太が何か言ってくれたのかな。
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作者名：しぅ
| 作成日時：2021年7月30日 21時
