おにーちゃん！【青】 (ページ12)

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朝、毎年と同じように俺を起こしに来たA。
違うのは、今は俺の家。

「しょーに、今日もライブなんでしょ。
早く起きないと…。」

「…誰に俺の部屋聞いたんだよ。」

「りょーにぃ！」

まあ、だよな。
結局昨日は涼太も泊っていったから、朝ご飯を一緒に作った後、涼太が俺を起こすようにAに言ったんだろう。そしてそれは、俺に対してちゃんと話をしろとの達示だと悟った。

「…昨日おばさんから、お前が居候したいって言ってるんだけどって相談されたけど、本気なの？」

「うん。私だって都会に出てみたい！」

「なら俺んちじゃなくてもいいだろ…。」

「だってしょーにぃ、いつまでもお嫁さんにしてくれないから！先に一緒に住んじゃおうって思って。」

それはもう盛大に溜息を吐きました。
どうせこんなことだろうとは思いました。

こいつが小さい頃、俺と結婚するんだとぐずって泣き止まなかったことがあった。おばさんたちがあやしても泣き止むことはなく、みんな困り果てて。渋々俺が頷いたら、会う度に結婚の話を持ち出している。

小さい頃はみんな「また言ってるな」くらいだったけど、こうも年頃になっても言い続けると段々本気なんだと思われるようになっていた。おばさんには「無理に縁談進めたりはしないから」と言われる始末。俺の両親も「Aちゃんが娘ならいい」と言い出していて、両家からは認められている。

唯一みんなが知らないことは、俺がAが結婚の話を持ち出すことを本気で嫌がっているわけではないということだ。

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