27輪 ページ27
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side.dt
帰って来たAの元気がないことくらい、お見通し。翔太も気付いたみたいで、さりげなく原因を探ってみてたけど、はぐらかされてしまった。何か知らないかとふっかにメッセージを入れてみたら、電話がかかってきた。
fk「今さー、照の家で飲みながらAちゃんについての話してたんだよね。舘さんと翔太、来れる？俺らだけだと、どう対応してあげるのが正解かわかんないからさ。」
dt「分かった。俺が行くよ。
翔太には留守番させとく。」
翔太、お酒あんまり強くないしね。
通話を終えて、出かけてくることを告げれば特に何かを気にする素振りもなく送り出してくれるA。翔太がこちらを見て、一度頷いた。ちゃんと俺の意図は伝わったみたい。
照の家を訪ねると、阿部もいて。ラジオの収録終わりにそのまま照の家へ押しかけて、討論会が始まったのだと言う。
dt「照、飛んだとばっちりだね。」
iw「ほんとに。」
fk「またまた〜。
誰よりAちゃんのことしんぱ…いてっ！」
容赦のないげんこつ。痛そう。
無言のままふっかを睨む照の圧は、親とソファを投げ合う喧嘩をしたことのある俺でも、流石に怖い。
fk「てか、なべは？寝た？」
dt「流石にまだ寝てないけど…。
電話でも言ったけど、お留守番。
俺も翔太もいなくなったら、Aが抱え込んで変な気起こすかもしれないし。」
それこそ、マネージャーはやっぱり出来ないだとか。絶対言い出すから。それはなんとしても止めたいので、説得係兼Aからの事情聴取係として翔太を置いてきた。
ab「だいぶ失礼なのは分かってるんだけど…。
翔太で、大丈夫なの？」
阿部の言う事はごもっともだ。
普通に考えたら、口下手で不器用な翔太を説得係に置いとくなんてことしない。俺がやったほうが事情聴取もしやすいと思う。
dt「普段からAに対して尽くすようにしている俺には話しにくいこともあるみたいでさ。Aに迷惑掛けまくってる翔太の方が、こういう時の悩みとかは話しやすいから。」
長年一緒にいるからこその経験則。
Aが悩みを打ち明けずに抱え込んでいる時は、俺よりも翔太に対しての方が話してくれる確率が高い。
それを聞いた阿部がまたゆり組だなんだと騒ぎ始めたんだけど。
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作者名：しぅ
| 作成日時：2021年7月11日 21時
