25輪 ページ25
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side.you
新井さんの運転する車内で、深澤くんも阿部くんも、私を元気づけるように明るい話題を振ってくれたのが逆に申し訳なくて。初日からメンバーさんに気を遣われているようじゃ、この先やっていけないな…。涼太の家の前まで送っていただき、せめて2人には何も気づかれないように明るく振る舞って玄関のドアを開けた。
「ただいま。」
dt「おかえり。お疲れ様。」
nb「…遅くね?なんかあった?」
「そう…?ラジオ収録の時間ががどんなものかわからないけど…。特に何もなかったよ。」
訝しげにこちらを見る翔太に一瞬、空元気が見破られたのかとドキッとした。それでも「何もない」と言えば、執拗に聞いてくるようなことはしなかった。
dt「今日は椎茸が美味しそうだったから、煮物を作ってみたよ。」
「涼太も疲れてただろうに…。ごめんね。」
dt「ううん。好きでやってるんだもん。
それに、これからは全員同じだけの仕事があるわけだから。Aだって無理して色々作らなくていいんだからね。」
手抜きだろうが、Aの用意してくれたものなら有難く頂くよって優しい笑顔の紳士様。ほんとに、なんでこんな出来た人が私の幼馴染なんだろうか。
ご飯を食べ終えたあと、涼太になにやら電話が入って。
dt「急用が出来たから、少し出てくるよ。
そんなに時間はかからないと思うけど…。」
「分かった。いってらっしゃい。」
何処へ何の目的で行くのかも知らないけど、きちんとおしゃれをしていく涼太に見習わなくちゃなあと思う。
「翔太には連絡入ってないから、お仕事とかじゃなさそうだね。」
nb「あいつ単独の仕事だってあるから、なんとも言えないけど…。仕事なら仕事って言うだろうから、仕事とは別件なんだと思う。」
洗い物を追えて、ハーブティーを淹れてダイニングに戻る。だらだらとテレビを眺める翔太とそんな会話をしていたら、不意に翔太が立ち上がって、隣に座り直した。
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作者名:しぅ | 作成日時:2021年7月11日 21時