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第十話 ページ10

私に撫でられていることに気づいたチョコちゃんは、一瞬威嚇するような表情になって...でも結局は咎められなかった。

正直、びっくりした。


見つかったら嫌われるのを覚悟してたんだけど。

起こしかけた体をパタンと力無く倒し、チョコちゃんは黙って丸まってしまった。



さっきよりも、収まりの、良い位置に。ここ最重要ね。


『んぐぅ』


変な呻き声だって?そんなことを言う奴はこれを体験してから言ってくれ。この天使を見てから言ってくれ。
そしたら絶対君もこんな声出るから。

...しかもチョコちゃんってば、よく耳を澄ませたら、喉からゴロゴロって聞こえていますねーー!
微かだけど確実に鳴らしてますよ喉を!!そう喉を!!!

私の推し兼友達(一方的)が!可愛い!!!!!
こんな素敵な存在を生み出してくれてありがとう神様。
次の初詣は、お賽銭500円玉にしとくからね。


はーもうシンプルに好き。可愛い。

最初は近づくだけで威嚇されてたってのに、1ヶ月半たった今は大人しく撫でられてくれてる。
チョコちゃんが私に心を開いてくれつつあるのが嬉しくて嬉しくて、衝動のままにひょいっとチョコちゃんを抱き上げた。

毛がぶわっと一気に逆だって、それと共にそのエメラルド色の瞳が零れ落ちてしまいそうな程にまあるく見開かれた。

びっくりして当たり前だよね、分かってるんだけど今テンションが振り切ってるんだよ私。
ちゃんと心の奥底では冷静な部分もあるんだけど、表層部分が制御できておりません。ごめんよ。

あ、でも、違う角度から見るとまたよく分かるね。
チョコちゃんって、ほんとに顔が整ってる。



『チョコちゃんは最高に可愛くて美人な、私が一番大好きな猫 ちゃんだからね!安心して私に懐いてくれていいんだよ!』

「...にゃ...」

『...チョコちゃん生きてる?大丈夫そ?』


思ったままに愛を叫んでおいて、はっと我に返って。

...怒らないんだ、って思った。

そのふわふわな尻尾を振ってる訳でもない。
びっくりしたみたいな...あ、でも少しだけ不機嫌なような...なんだか複雑な顔のまま固まってる。

なんか今日、チョコちゃんがすっごくしおらしい。
普段はあんだけ、何様俺様チョコ様節をかましてるのに。
こういうのも確かに可愛いけど...何かあったのかなぁ。

...また煮干し持ってこよ。

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作者名:來夢 | 作成日時:2023年4月6日 21時

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