第十三話 ページ15
『あれぇ？こんなところにチョコちゃんがいる。』
「えーっ、Aって猫飼ってたの？」
レオナが顔を上げると、そこには見慣れた黒い瞳の少女ともう1人、茶髪をポニーテールにした少女がきょとんとしていた。
同じ制服を着ているあたり、クラスメイトか何かだろう。
...顔は、相変わらずいつもの女しか認識できないが。
いや、それよりも、だ。
思いもよらない収穫に、レオナは瞠目していた。
「(A...そうか、お前はAって名なのか。)」
いつからかはレオナ自身にも分からない。
でもずっと知りたかったその名前。
ようやく彼女に1歩近づいた気がして、密かに顔を緩めた。
勿論、猫の表情筋の、しかもそんな僅かな違いがAに読み取れる訳はない。
ないのだが...まあ尻尾がピンと立っていれば上機嫌なのは分かりやすいだろう。『今日はご機嫌さんなのか〜？』とニコニコ笑いながら、チョコちゃん、もといレオナを撫でていた。
「ゴロゴロ言ってる...野良猫の懐き方じゃないって絶対。」
『そう？でも殆ど毎日行ってたら1ヶ月半くらいで撫でさせてくれるようになったよ？』
「え、毎日？...馬鹿なの？？？？？」
恐らくはツッコミ属性なのであろう女子の胡乱な視線も意に介さず、多分天然ボケ属性のAは大真面目に語る。
『私ってさ、もふもふ好きじゃん？』
「知ってる。」
『この子さ、えげつない美人じゃん？』
「そうなの？いや目は綺麗だと思うけど...うん、それで？」
『通うしか、ないよね。』
「いや分かんない分かんない。いきなり言葉のジャンプ頑張りすぎないでくんない？振り落とされてるからアタシ。」
もう一度言っておく、Aは大真面目だ。
改めて聞いて、レオナも「(意味分かんねぇなコイツ)」とか思っているが、A自身は大真面目だ。
上機嫌にレオナを腕の中に収め、友達に差し出した。
『撫でる？』
「...」
「(...)」
ぺかー、とでも効果音のつきそうな笑顔のAと、無言で見つめ合う友達とレオナ。
その後、彼女は「あの猫と繋がった気がした...」と語った。
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ツイステのデータ飛びかけた...あっっっぶねぇ...
タマムイレオナさんが消えてたら発狂するとこだった...
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作者名：來夢 | 作成日時：2023年4月6日 21時
