はちみつを溶かして ページ4
蜂須賀柚花 ちゃんをお借りしました
佐倉ちゃん、ありがとう〜！
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3年の桜庭琉叶、よろしく〜
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「なにこれ重っ」
「……？そう？」
スーパーから出てきてゆずの袋を持つとずっしりとした重さが腕へのしかかった。
まあ、持てない程じゃないかと思い持ち直す。
ゆずは俺のことをじ、と見つめてくる。
昔とは違う、正義に満ち溢れたその視線から逃げるようにそっと顔を逸らした。
こんな奴じゃなかったのにな
もっと、弱くて怖がりで1人で蹲ってゲームしてるようなやつだったのに。人の目を見るのが苦手でずっとあいつの後ろついてまわって…______
「琉叶くんは、私のこと変わったって言ったけど。
琉叶くんも変わったよね」
「は？」
「ほら、だってすごい真面目だったのに。
てっきり大学とかに進学するのかなーとか思ってたんだけど」
「……勉強は好きじゃねーし。それに、母さんに負担かけたくなかったんだよ」
本当に、大切な子だったのは楪で、俺はただのお荷物だった。だから、1人で、
「私は琉叶くんは変わらないと思ってた、
真面目なまま生きていくのかなって、思ってたの。私と、違って」
……それは、
「お前が変わったのって、弱かったからじゃねーの？」
「……」
ずっと下を向いていたゆずは不思議そうに俺を見つめる。分かってないのなら、それでいい。知らないままが幸せなんだろう。
それより、俺は言いたいことがある。
「そんなに自分を押し込まなくていいんじゃねーの」
学生の時の、小さくなって蹲っているゆずの面影を感じてそう、言った。ゆずの足が止まった。
「……なんでそんな事言うの？」
「必要かなって思った」
「琉叶くんはアーレス……何か、企んでるの？」
「信用ないな〜、本当に企んでたらこんな面倒な事しないって。俺ならもっと手っ取り早く出来るし」
「違う……私」
「何が？」
「私、別に押し込んでない……」
ふるふると力なく首を横に振るゆず。
気付いてないのか……？知らないふりをしてるだけ？
本当は被りたいそのパーカーのフード、暑いのに手首までしっかり隠す長袖の服、じっと人の目を見て話しつつ、表情を疑うその視線。
全部人に相談出来なくて、怖くて、仕方ないくせに。
「……何処がだよ、お前そのままじゃ」
「いいの！誰にも心配かけたくない！」
ゆずは大声で言った。……嘘じゃない。
今にも泣きそうな顔のゆずに罪悪感を覚えつつ、また歩き出す。
「……私、強くならないといけないんだよ」
「どういう意味でだよ」
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作者名：藤白 | 作成日時：2018年8月23日 13時
