個性“触手”の元暗殺者＃殺せんせー暗殺の時間＃壱 (ページ30)

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＃020-1　殺らなきゃいけないページ30

殺せん「皆さん。失ってしまった過去を取り戻す事はできません。
先生自身、多くの過ち(あやまち)を犯して来ました。
ですが過去の教訓に、繰り返さないことはできます」

　『えっと？何？ソレ』

殺せん「茅野さんの血液や体細胞です。地面に落ちる前に全て拾い、無菌に保った空気で包んで、空間に保管していました。」

え？何？殺せんせー、それ持ちながら戦ってたの？神？人間技じゃねぇよ！

って、人間じゃないんだったこの人。しかも、一応神だったね？死神さん！

殺せん「君たちを守るための触手だけは、闘いに使わず保温していました。
今から一つ一つ、全ての細胞をつなげます。

より速く。より精密に。この一年、ずっと能力を高めてきました。

あの時と同じことがあったとしても、同じ悲劇には、絶対すまいと。」

殺せんせー。本当に、本当ありがとう。

殺せん「中村さん！破壊されたケーキを拾って先生の口に！」

中村「はぁ？土まみれでグチャグチャの生ゴミだけど？」

殺せん「エネルギーが必要なんです！戦闘中もずっと食べたかったし！」

イヤ、戦闘中は戦闘に集中しろよ！

糸は一切使わず、痕一つ残さず、傷口が塞がっていく。

殺せん「……ふぅ。あとは心臓が動けば蘇生します。
“生徒が学校で土手っ腹を撃ち抜かれたときの対処法”マニュアル通り完璧なはずです。」

皆「「そんな大惨事フツー想定してねーよ！」」

さすが皆！ナイスツッコミ！そして、ホントに息合ってるねぇ。感心しちゃう

殺せん「今だからいいますが、たとえ君達の体がバラバラにされても蘇生できるよう備えていました。

先生がその場に居さえすれば」

殺せんせー。
ありがたいけど、その発想怖いよ。

ビリビリバチッ

カエデ「…………かはっ！」

　『！！カエデ！』

カエデ「また、助けてもらっちゃった」

殺せん「何度でもそうしますよ。お姉さんでもそうしたでしょう」

　『カエデー！』

そう言いながら、カエデに抱きついた。

カエデ「寒っ！て！うわ！私なんて格好して！」

カエデ「？何、イトナくん」

イトナ「可哀想」

カエデ「何が！？」

前原「いいじゃねぇか。殺せんせー、髪まで結ってくれたんだしさ」

そう言って前原はカエデに体操着を羽織らせた

　『ちょっと！前原！何やってんのさ！私のMyエンジェルに、前原菌が移るでしょ！
もうちょっと考えて行動しなさいよ！』

前原「ひでーな！…………てか、お前は大丈夫なのかよ。前に自衛隊に腹撃ち抜かれて、心臓思いっ切り殴られたんだろ？」