ひとりになりたくない魔法使いと手離したくない零お兄さん ver.５【名探偵コナン/降谷零 安室透】

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ジ「(そろそろだな…)」

とある路地裏の道

ジンが組織に関わるある男を始末しようと呼び出し待ち合わせの場所に向かっていた

まだ正式に始末するべき人間かは決まってはいないがジンには関係無い

“疑わしきは罰する”

それが彼にとって当たり前だからだ



ジ「…」

ふと

誰か後ろをついてきているのに気づいた

気配を隠そうとしている様子は無く素人かと思うも

自分を追っているのは確かな様子

ジンは振り向きざま銃を向けた



ジ「っ！？」

そして目を見開いた

銃を向ける先

ポカンとした青い髪の少女がいて



ジ「…」
「…」

しばし見つめ合う二人

決して甘い空気など流れていない



ジ「…何故いる」

するとジンが重々しい声でそう発した

それにAはパッと笑顔を浮かべると



「お久しぶりだねお兄さん！
見かけたからついてきたよ！」
ジ「ついてきてんじゃねぇよ」

明るくそう言われジンはすぐさま突っ込んだ

大して慣れ親しんだわけでもねぇのに何ついてきてんだこの女



「これ本物かい？」
ジ「…玩具だ」

そう言ってからジンは若干後悔しながら銃を仕舞う

大の大人が玩具の銃持ち歩くとかどんな野郎だ



「なるほど！
護身用ってやつだね！」
ジ「そうだ」

ジンは即答した

完全にそういう事にした



ジ「…つうか知らねぇ人間についていくなっつっただろ」
「お兄さん知らない人じゃないよ？
２回くらい会ってるじゃないか」
ジ「親しくもねぇだろうが」
「けど学校まで送ってもらったしね！
あの時は助かったよ！」
ジ「…」

にっこにっことジンに笑いかけてくるA

あまりに無邪気なそれはそれは可愛らしい笑顔で自分を見てくる

ジンにとってAは最近やたらと気になる女ではある

最初はあまりに目を惹き過ぎる容姿に純粋に興味を持った

しかし次に出会った時傷だらけのうえ誘拐され暴行を受けたと笑顔で話され何か色んな意味で衝撃的な女だった


しかしそんな気になる女に会えたにも関わらず状況が状況過ぎて心境としては複雑過ぎる

場所は薄暗い路地裏のうえ今から自分は人間一人始末しに行こうとしているのだ



「ところでお兄さんはこんなところで何してるんだい？」
ジ「…散歩だ」

人を殺しに行くところだなんて言えるわけがない

正直なところジン自身も不思議になるほどAを“こちら側”に関わらせたくなかった

お前と俺では住む世界が違うんだ

とっととここから立ち去ってくれとジンは切実に思った

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