ひとりになりたくない魔法使いと手離したくない零お兄さん ver.５【名探偵コナン/降谷零 安室透】

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降「…僕の仕事にAを巻き込めるわけないだろ」
「それで死んでしまったら元も子も無いのに？」
降「…そうだとしても」

手をきつく握り締める降谷



「…うん
零お兄さんならそう言うだろうね…」

そんな降谷にAは小さくため息をつく



「…もう命の危機に陥るならいくらでも陥ってくれればいいさ」
降「…え」
「零お兄さんが苦しい思いするのは正直本気で真面目に嫌だけど私が治せばいいだけの話だしね
治癒魔法は使い過ぎるとちょっとまずいかなぁって思ったけど数日寝ちゃうだけってわかったし」
零「…“寝ちゃうだけ”！？
馬鹿野郎あれは“昏睡状態”と言うんだ！！
と言うか冗談じゃないぞおい！！」

いつ目覚めるかわからないAを待ち続けなければならないとかどんな拷問だと降谷は慌てる

それに今回は数日で済んだかもしれないが次はそうじゃないかもしれない

本当に死んでしまうかも…







「私はそう簡単に死にはしないさ」

そう考えていたところで

まるで降谷の心を見透かすかのようにAがそう言った

降谷は目を大きくしてAを見る



「そうでしょう？」

そうAが宙に視線を向けると



降「…！」

その言葉に答えるようにルフが浮かび上がった



「だから私の事は気にしないで零お兄さんは遠慮せずどんどん死にかけておくれよ！
ものすごーーーーーく嫌だけど！」

そしてにっこにっこと降谷を見てくるA



降「…」

しばしぽかーんとしていた降谷だが

脱力したように“ゴッ”とハンドルに頭を置いた



降「…僕が悪かったです
…すみませんでした」

そして項垂れながらそう言った



「わかってくれればいいんだ
まぁ本当なら私も零お兄さんの事言えないみたいだしね」
降「…そっちもわかってくれてるようで何よりだよ」

ハンドルに頰を置きじとーっと半目で見てくる降谷に

Aは“ふふっ”と笑うと



「零お兄さん
私と一緒にいる時点でね」
降「？」






「死ぬ事なんて考える必要無いさ
私が絶対死なせないから」

その言葉に目を瞬かせる降谷



降「…カッコ良過ぎるだろその台詞」
「うん？
だって零お兄さん
私の事“ひとりにしない”って
約束してくれたでしょう？」
降「…！」

Aはそう言って嬉しそうに笑う

その笑顔に一瞬だけ

降谷は胸を詰まらせそうになったが



降「…あぁ
約束…したもんな」

そう

柔らかく笑みをこぼすと




降「…帰るか」
「うん！」


そして


車を走らせた

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