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僕はAが
涙を流すところを
見た事が無い
この世界に放り出され
帰る方法がわからないと知った時
その時ですら
Aは涙を流さなかった
降「…っ…げほ…!」
咳き込んだと同時
吐き出される真っ赤な血液
撃ち抜かれた肩と腹部が燃えるように痛んでいた
けれど
僕は知っている
僕が夜遅く帰ると言った時に限り
Aが魔法を使い帰る方法を探しているのを
その方法が見つからずに杖を握り締め
何かから耐えているのも
Aは一人の時ですら
涙を流さないのも
降「(僕にはまだ…やらなくてはいけない事が…!)」
後ろから聞こえてくる複数の足音
身体に鞭を打って走り続ける
降「(Aを…独りにするわけには…っ)」
バンッ!!
降「…!?」
発砲される音を聞いたと同時
呼吸が出来なくなった
肺を撃ち抜かれたと気付くのはすぐの事で
その衝撃で壁に背を打ちつけ
ずるずると座り込んだ
“私にとって
一番聞いて欲しくない事
ずっと聞かないでいてくれてるのに?”
…違う
違うんだ
“聞かなかった”わけじゃない
“聞けなかった”んだ
恐れていたんだ
もしも
Aが帰る方法を
見つけてしまっていたらと…
“…もし…かしたら…もう…”
あの夜
消え入りそうな声で
何かを言いかけていたA
僕はあの後に
続く言葉を
知っていた
それは今まで
Aが絶対に
口にしようとしなかった言葉
“帰れないかもしれない”
僕はそれを
聞く事が
出来なかった
それを聞いてしまったら
僕は
悲しむAに胸を痛めると同時に
喜んでしまう
自信があったから
降「…っ」
帰る方法を必死に探し
帰る方法が見つからず
悲しみに堪えようとするAを
見ていながら
このまま
帰れなくなってしまえばいいと
Aにとって
酷く残酷な事を
思ってしまっていたのだから
降「…A…」
自分がつけた
何よりも大切な子の
その名前
口から出てきたのは
真っ赤な血と
空気の音だけで
恐らく言葉には
なっていなかった
.
.
.
「…ねぇ」
薄れゆく意識の中
凍りつくような風が
頰を撫でた
「その人に
何をしているの」
最後に聞いたのは
男達の悲鳴と
酷く
冷たい声だった
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紅葉葵 - このお話めっっちゃ面白いです!コナンもマギも大好きなのでホントに嬉しいです!もうこの物語を見るために生きているって言っても過言じゃありません笑この作品もう続続続続々編まで続いてほしいです!笑更新頑張ってください!応援してますよ! (2020年5月24日 5時) (レス) id: 0f3cd23380 (このIDを非表示/違反報告)
Kuo - この作品大好きです!マギをあまり知らないんですけど、それでも読んでて楽しめます!すっごい面白いです!更新待ってます!頑張ってください!無理はしないで下さいね?応援してます! (2020年5月21日 18時) (レス) id: f1ea7d4286 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - わわっ!続けざまに更新?!めっちゃ嬉しい!!!無理しない程度で頑張ってください!!!応援してます! (2020年5月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください!応援あ! (2020年5月4日 13時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
死柄眼残夏(プロフ) - 続きをとても楽しみにしてしてます!マギもコナンもとても大好きなのにあまりこの2つのクロスオーバー作品は無くて残念んに思っていたところでこの作品を見つけて読んでみた時からイッキにファンになりました。体調に気を付けながら更新頑張ってください!! (2020年5月2日 20時) (レス) id: 43c43a1464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクヤ | 作成日時:2019年5月28日 18時