167 ページ31
167
「零お兄さんエスパー!!?」
降「…違うぞ?」
本気で驚いた顔をしてくるA
何故エスパーで驚く魔法使い
降「それっぽい発言してただろ…」
「…そ…そうかい…?」
降「本当はA程の魔法使いはそう何人もいないんだろ?」
「…そんな事は…無いと思うけど…」
降「“マギ”とかそういう役割りを持った者以外でか?」
「…えっと…どうだったかな…」
降「…と言うかそれはAにとってそんなに隠したい事か?」
「…いや…その…」
Aにしては珍しいくらい歯切れの悪い返答を繰り返している
視線もおろおろと落ち着きが無い
降「…?
“マギ”だとすると…Aも王になるべき人を選んだりしてたのか?」
「!…う…ううん
…私は私の王様を選ぶ事は無かったよ」
降「?
役割を放棄してたって事か?」
「…」
おろおろしていたAの視線が
床に下げられる
「…王様を選ぶ事は…いい事なのか…わからなかったから…」
降「!」
「…選ぶつもりも…私の中には…一切無かった」
一点を見つめながら
小さな声で話すA
その瞳には
暗い感情が浮かび上がっていて
それは降谷が
初めて見るものだった
「…だって…それを…望んでいない人だって…」
そこで
Aが言葉を止めた
「…あまり…いい話ではないんだ」
一度だけ瞳を閉じた後
Aは小さく笑みを浮かべ降谷を見る
「それにこの世界には全く関係の無い事だし…
…全く別の世界の話さ
だから零お兄さんが知る必要は無いよ」
そう言ってAは話を終わりにしようとする
降「…僕にとって」
すると
降谷が口を開いた
降「Aに関する事で
知る必要の無い事なんて何一つ無い」
真っ直ぐな瞳で言われた言葉
Aは目を大きくした
降「…Aは言わなくても僕の事をわかってくれているかもしれない
けど僕は言ってくれないと…Aの事をわかる事が出来ないんだ」
困ったような笑みを浮かべ
降谷はそう言う
「…私にとって
一番聞いて欲しくない事
ずっと聞かないでいてくれてるのに?」
その言葉に
今度は降谷が目を大きくする番だった
「…けど…そっか…うん…」
何かを考えるように言葉を発し
小さく頷くA
そして降谷を見ると
「…もう少ししたら
ちゃんとに話すから
私の事」
降「!…」
降谷はそれを聞いて
深く頷き
降「…わかった
それまで待つよ」
そう
Aに笑いかけた
1759人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sou(プロフ) - 尊い♡♡ (2022年3月22日 23時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 毎回の裏話好きです♡こんなに素晴らしい作品書けるの才能!!!凄いです!! (2022年3月22日 23時) (レス) @page1 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
yukari20164(プロフ) - とても面白いです。皆さんなんでこんなに面白い小説書けるのかなあと思います。 (2019年12月23日 19時) (レス) id: 9829adedfb (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 零と睡蓮結ばれてほしいです。 (2019年10月3日 22時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。凄い面白くて素敵なお話です。一人称は読んでて違和感などなかったので変えても変えなくてもどちらでも良いと思います☆更新楽しみにしてます! (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サクヤ | 作成日時:2018年12月14日 23時