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とあるビル

燃え盛る炎の中




コ「げほっ…!」

コナンが襲いかかる炎の熱と煙に耐え

逃げ場を必死に探していた





最近世間を騒がせていた連続放火犯

それをコナンが推理し追い詰めたところまでは良かった

問題はその後だった

犯人が放火を起こす前に捕まえなくてはとその一心で犯人を追いかけてきたコナン

麻酔銃でもキック力増量シューズでも駆使して確実に捕まえてやろうと思っていた

しかし犯人を追い詰めた場所が悪かった

そこは既に犯人によって火事を起こすため準備が施されていて

ガソリンが所構わず撒かれたビルの一室でライターを落とされてしまえば炎が立ち込めるのは一瞬だった



コ「くっそ…!」

炎によって通路が塞がれてしまった

逃げる際犯人が火をつけていったのか廊下も炎が燃え盛っている

もう逃げ場は窓からしか無い

しかしよりにもよってここは五階のうえ下はコンクリート

下りるのに使えそうな物は火がうつり燃えている



コ「…っや…べ…」

煙を吸い込み過ぎたのか意識が朦朧とし

熱を持った床にドサリと倒れてしまった

炎の熱にあてられた素肌がちりちりと痛んだ



コ「…はは…っ(…しくった…な…)」

犯人を甘く見ていたわけでは決して無い

それでも詰めが甘過ぎた自分に

自嘲が力無く漏れた

今日が定休日らしいこのビル内に人がいないのは唯一の救いだったけれど




コ「…っ…







…まだ…死に…たく…ね…っ」


コナンの表情が

苦痛で歪んだ








コ「…!」


その時


ぶわりと


風が吹いた


コナンの周囲の炎が避けるように空間を空ける


それと同時に


コナンの視界に入ってきたのは


鮮やかな青色








コ「…A…さん…?」


火の熱で渇いた喉で


コナンが小さくそう溢した




それはここには


いるはずの無い人物で


幻かと思うも


床に投げ出されたコナンの手が


優しく握られた



コ「逃…げ…っ」


歪む視界で見える桃色


何故Aがここにいるのか


いやそれよりもAがここにいるのなら


Aだけでも


逃がさなくてはと





「…うん
一緒に逃げようね」


その言葉を聞いたのを最後に


コナンは気を失った






.







.
















コ「…?」

さわさわと頰を撫でる風に

ゆっくりと目を開いた

幾重にも重なる木々の葉が目に入ってきた





「コナン君?
気がついたかい?」
コ「…っ!?」


そして聞こえてきた声に

ガバリと起き上がった

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sou(プロフ) - 尊い♡♡ (2022年3月22日 23時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 毎回の裏話好きです♡こんなに素晴らしい作品書けるの才能!!!凄いです!! (2022年3月22日 23時) (レス) @page1 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
yukari20164(プロフ) - とても面白いです。皆さんなんでこんなに面白い小説書けるのかなあと思います。 (2019年12月23日 19時) (レス) id: 9829adedfb (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 零と睡蓮結ばれてほしいです。 (2019年10月3日 22時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。凄い面白くて素敵なお話です。一人称は読んでて違和感などなかったので変えても変えなくてもどちらでも良いと思います☆更新楽しみにしてます! (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクヤ | 作成日時:2018年12月14日 23時

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