156 ページ20
156
その次の瞬間
降「っ!?」
目の前を走っていたトラックが宙に吹き飛んだ
ぐんっと車体が持っていかれそうな感覚に慌ててハンドルを握る手に力を入れる
ゴオッと吹き荒れる突風
降谷の車の周辺に凄まじい突風が発生し視界が遮られる
降「!」
ふと車の周りを光の膜
“防壁魔法(ボルグ)”が覆った
突風から守られているのか車体が軽くなった
Aに言われた通りその中を切り抜け魔法が解けたところで車を止める
降「!!!」
そして振り返り状況を目にして
目を見開いた
降「(こ…これで10分の1だと…!?)」
まさに自然災害だった
空まで上る灰色の竜巻
山の木々を抉り巻き込んでいる
もし民家があったら何件も吹き飛んでいた事だろう
降「…!!」
その時竜巻が分散するように消えた
竜巻に巻き込まれていたトラックや木やらが一気に落ちてこようとした
しかしそれらはぴたりと宙で止まり
ゆっくりと地面にたどり着く
降「…っ!」
ドアを開けると凍えるような冷気に身震いした
車から降りると足下からパキリと割れる音がした
見ると地面に氷が張っていて
そこら一体が凍りついている
「…どういう事だろう…」
ぽつりと聞こえてきた声
それに振り向くと
車の上にAが座っていた
口元に手をやり何かを考える表情をしている
「…ルフが力をくれた…?
…マギシステムは無くなっているはずなのにどうして…
作用されていない…?
いやけどこの世界に来る前無くなったかの確認はしてないし…
それとも世界が違うから根本的に魔法の概念が…」
ぽそぽそと疑問そうに何かを呟いている
「!」
すると呆然とAを見ている降谷に気づいた
「あ!トラックに乗ってる人なら無事だよ!
気絶しちゃってるみたいだけどね
他のは今すぐもとに戻すから安心しておくれ」
そう言ってAが杖を振ると“ジュワアアア”と音を立て蒸発するように氷が一斉に溶け辺りに湯気が立ち上った
もう一度杖を振ると竜巻に巻き込まれ無残な状態だった木々がまるで時間を巻き戻すかのようにもとの状態に戻っていく
降「…」
先程から見せられるあり得ない光景の連発に降谷は思考が追いついていない
降「…A…君は一体…」
降谷は呆然とした様子のままAに顔を向けた
その時
降「…っ!?」
ふらりとAの体が傾いた
車から落ちそうになり急いで抱きとめる
1759人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sou(プロフ) - 尊い♡♡ (2022年3月22日 23時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 毎回の裏話好きです♡こんなに素晴らしい作品書けるの才能!!!凄いです!! (2022年3月22日 23時) (レス) @page1 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
yukari20164(プロフ) - とても面白いです。皆さんなんでこんなに面白い小説書けるのかなあと思います。 (2019年12月23日 19時) (レス) id: 9829adedfb (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 零と睡蓮結ばれてほしいです。 (2019年10月3日 22時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。凄い面白くて素敵なお話です。一人称は読んでて違和感などなかったので変えても変えなくてもどちらでも良いと思います☆更新楽しみにしてます! (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サクヤ | 作成日時:2018年12月14日 23時