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「おやすみ
零お兄さん」
降「…あ…あぁ…おやすみ…」
恥ずかしがるどころか喜ばれた
むしろ可愛らしい笑顔を浮かべてくっついてきた
しかも人の腕の中でさっそくうとうとし始めた
何だこれどういう事だ
降「…(この子には異性に対する情緒は無いのか…？)」
むしろ僕は男と思われていないのか
いやこの子の場合恐らく男とは兄のアラジン君が基準になってしまっているのだろう
もしかしたらアラジン君といつもこうやって寝ていたのかもしれない
それなら仕方な…
いやいやいや仕方なくない兄妹ならいいがただの男にいくらなんでも気を許し過ぎだろ
と言うかこの子男が本当はどういう生き物かまるで理解していない
僕じゃなかったら襲われてる
「…零お兄さん…」
降「？」
アラジン君以外…いやアラジン君と僕以外の男には警戒心を持つように教えよう
ただこんな純粋の塊のような女の子に何をどう教えればいいんだと悩みながら寝かけているAの背をぽんぽんと撫でていると
名前を呼ばれた
「…無理…しないでね…」
降「…え？」
言われた言葉にAを凝視した
しかしAは既に眠りの中だった
降「…(無理…だと？)」
“お前はどうなんだ”と言いたかった
“人の心配する前に自分の心配しろ”と
毎朝僕が離れようとすると“アラジン君”と寝言をこぼし手を伸ばすくせに
その度に僕がどれだけ後ろ髪を引かれる思いでベッドから抜け出しているか…
降「…」
あの時
この子と初めて目を合わせ
笑みを向けられた瞬間
僕は心のどこかで
確信していたんだ
この子は全く別の存在で
何も持っていなくて
何も知らなくて
怪しむ必要も
警戒する必要も無いと
自分の事を危険だと言ったA
むしろ組織に潜入している僕と一緒にいる方が危険かもしれない
その考えが無かったわけじゃない
それでもこの子に素性を明かし
自分の傍に置くことを
迷いすらしなかったのは…
“零お兄さんは
寂しかった？”
降「…(あぁ…そうか…)」
…寂しかったのか…僕は…
降「…っ」
自分すら
気づいていなかった事を
どこまでも見透かしてくるA
自嘲気味な笑いが込み上げたと同時
無性に
泣きたくなった
降「…(近い内に…あいつに会いに行こう…)」
警視庁で働いているであろう
爪楊枝がトレードマークの友人
あいつならAの味方になってくれるはずだと
…そう思っていた
※続編“基本大丈夫じゃない魔法使いと過保護気味の零お兄さん ver.2”へ→←41
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sou(プロフ) - マギ×コナンって異彩の組み合わせすぎてどうなるんだろって思っていましたが、すごく引き込まれてしまいました！！長編なのも嬉しいです！！ (2022年3月22日 19時) (
レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーくん - 待って、作者さんと、自分の設定した名前同じなんだけどw w (2021年8月28日 21時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すっごくおもしろくて続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年5月6日 22時) (レス) id: 412749cfeb (このIDを非表示/違反報告)
本の中の住人 - すごく面白いです。続きが気になります、ぜひ続きを書いて欲しいです。 (2018年11月7日 21時) (レス) id: 7e54d3b988 (このIDを非表示/違反報告)
はんこ。(プロフ) - マギの作品が中々無い中この作品を見つけて、まさかの大好きな名探偵コナンへのトリップもので大歓喜してます...。これからも応援しています！ (2018年7月3日 1時) (レス) id: 2ed72ca7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクヤ | 作成日時：2018年4月22日 0時
