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風「…それは君にも言える事だろう
初対面の男相手に何故警戒しなかった?」
「する必要無かったからさ」
風「いやあるだろ…
もし君に危害を加えるような人間だったら…」
「それは絶対に無いって
会った瞬間にわかっていたよ」
風「!いや…いくらなんでもそれは…」




「わかるよ」
風「!」

そう言い切るAに

風見は目を大きくした後

ゆっくりと口を開く



風「…君があまりに無邪気に
笑ってくるものだから」
「!」
風「警戒する程危険な子には…
思えなかったんだ」
「…」

風見をじっと見た後

視線を宙へと向ける



「…不思議でも何でもなかったんだ」
風「?」
「この世界に来て…
例え私が一人になっていたとしても
私がどうなっていたとしても」
風「…!」
「きっと私は受け入れていたよ
何があっても」
風「…命を…落としていたとしてもか?」

風見の言葉に

視線を風見へと戻し






「それが私の
“運命”なら」
風「…!」

真っ直ぐな目で

そう言った



「…けどね」
風「…?」
「二人に出会った時点で…
私の“運命”が悪い方に向かう事は
絶対に無かったんだ」

ゆるりとAの目が細まる



「不安を口にするには…
私はきっと
恵まれ過ぎてる」
風「…は…?」
「そう思えるのは…
裕也お兄さんと零お兄さんに
出会えたからなんだよ?」
風「…!」

酷く柔らかい笑みで

Aはそう言った



風「…そう…か」


結局のところ

Aの不安などは聞く事が出来なかった


それでも彼女がどんな子か

少しだけ

知れた気がした







.








.








「そう言えば零お兄さん」
降「?」

あの後降谷が戻ってきて

風見と別れ

帰りの車の中



「零お兄さんが警察って事
秘密にしておかないといけない事だったんだよね?
どうして私に秘密にしなかったんだい?」
降「…」

降谷はあの時

本名で警察だと名乗っていた

隠す素振りすら見せなかった



降「…さぁ
何でだろうな…」
「…」

そう降谷は言葉を落とす



「…零お兄さんって」
降「ん?」

言いかけた言葉を一度止め

前を向き何かを考える表情をするA



「…寂しいのは誰でも嫌だと思うんだ」
降「…は?」
「けど私は平気だよ
零お兄さんいてくれるから」
降「!」

Aの目が降谷を写す








「零お兄さんは
寂しかった?」


その質問に


一瞬だけ言葉を詰まらせた



降「…いや…」
「…」
降「…Aがいるから…平気だな」
「…ふふっ そっか」

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sou(プロフ) - マギ×コナンって異彩の組み合わせすぎてどうなるんだろって思っていましたが、すごく引き込まれてしまいました!!長編なのも嬉しいです!! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーくん - 待って、作者さんと、自分の設定した名前同じなんだけどw w (2021年8月28日 21時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すっごくおもしろくて続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年5月6日 22時) (レス) id: 412749cfeb (このIDを非表示/違反報告)
本の中の住人 - すごく面白いです。続きが気になります、ぜひ続きを書いて欲しいです。 (2018年11月7日 21時) (レス) id: 7e54d3b988 (このIDを非表示/違反報告)
はんこ。(プロフ) - マギの作品が中々無い中この作品を見つけて、まさかの大好きな名探偵コナンへのトリップもので大歓喜してます...。これからも応援しています! (2018年7月3日 1時) (レス) id: 2ed72ca7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクヤ | 作成日時:2018年4月22日 0時

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