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「この世界の人から見たら…
本当に“危険”なのは…
…私の存在の方かもしれない」
降「…!」

ライハーネフの言葉に降谷は目を大きくした



「…だから
もうここまでで十分なんだ」

そう言って

降谷に視線を戻す



「零お兄さんは
たくさんのものを背負っているね?」
降「…は…?」

唐突にかけられた言葉

わけがわからず声を出す降谷

それにライハーネフは笑みを向ける



「零お兄さんには
他にやらないといけない事も
護らないといけないものも
大切なものも
いっぱいあるんだよね?」
降「…!」
「なのに 駄目だよ
余計なもの
増やしたら」

まるで見透かすかのような瞳で

柔らかい声で

そう言ってくる



「私はこの世界にいるはずの無い存在だよ
だから私に関わる必要は
もう無いと思うんだ」
降「っ」

笑顔のまま

言われた言葉に

言葉を詰まらせる



「それにね
何度も言うけど本当に私は大丈夫なんだ
何てったって魔法使いだからね!
だから…」
降「…ライハーネフ」
「!」

降谷は静かな声でライハーネフの名前を呼ぶ



降「君はまるで…今日出会ったばかりの僕の事を…わかっているみたいに言うんだな…」
「え?」


最初からこの少女はそうだった


自分と風見を“真っ直ぐで強い信念を持った人達”だと


“この国をすごく大切に思ってるの
よくわかるよ”


普通なら初対面で出てくるはずの無いその言葉も


“悪い人じゃない”と言いきった真っ直ぐな瞳も


今言われた言葉も


本当に自分の事を


わかっているかのような…



降「それなら君から僕は…傷を負った女の子を放っておくような男に見えるのか?」
「?ううん 見えないよ
と言うか怪我した私を助けてくれたの零お兄さんでしょう?」
降「…そうだな」

ライハーネフの返答に一度頷いた後



降「放っておくつもりは微塵も無いからな






現在進行形で」
「…うん?」

にっこりとした笑顔をライハーネフに向けた



降「と言う事で帰るぞ
一緒に」
「ん!?」

そしてライハーネフの後ろに回り肩に手を置くと車の方向に押し歩き出す



「“と言う事で”って何だい!?
しかもどこに!?」
降「僕の家だ」
「…零お兄さん!?
私の話聞いてた!?」
降「聞いてた聞いてた
“いるはずの無い存在”だったか?
とっくにこの世界に存在しといて何言ってんだ」
「えぇ!?」
降「とりあえずさっさと乗れ」

車のドアを開けライハーネフを車の中に押し込もうとする

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sou(プロフ) - マギ×コナンって異彩の組み合わせすぎてどうなるんだろって思っていましたが、すごく引き込まれてしまいました!!長編なのも嬉しいです!! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーくん - 待って、作者さんと、自分の設定した名前同じなんだけどw w (2021年8月28日 21時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すっごくおもしろくて続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年5月6日 22時) (レス) id: 412749cfeb (このIDを非表示/違反報告)
本の中の住人 - すごく面白いです。続きが気になります、ぜひ続きを書いて欲しいです。 (2018年11月7日 21時) (レス) id: 7e54d3b988 (このIDを非表示/違反報告)
はんこ。(プロフ) - マギの作品が中々無い中この作品を見つけて、まさかの大好きな名探偵コナンへのトリップもので大歓喜してます...。これからも応援しています! (2018年7月3日 1時) (レス) id: 2ed72ca7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクヤ | 作成日時:2018年4月22日 0時

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