君をもう､逃がさない

story.11 in Dice & Lunoa ページ16

ASide
しばらく1人で薬草を摘み続けて数分…そろそろ疲れてきた。

『…休憩しよ』

しばらくぼーっとしているとなんとなく視線を感じた。周りを見渡すと真っ白なうさぎがいた。この辺にうさぎっていたっけ…？

？「ﾑｰﾑｰ!」

すると木陰から赤い軍服を着た白紫色の髪の人が出てきた。赤い軍服…あの赤髪さんと似たような服装…もしかしてIrregular Dice…？警戒心が一気に高まる

？「こんなところで何をしているんですか？お嬢さん？」

『…何もないですよ？ただ薬草を取りに来ただけです。』

？「ふーん…らびまる、あれ見せて」

？「ﾑｰ!」ﾍﾟﾗｯ

？「ありがとう、この写真に写っている人知りませんか？」

『っ!?』

その写真に写っていたのは紛れもない殺し屋の時の自分だった。確かにどこからかシャッター音が時々聞こえてた気がする…

『…何も知らないです』

？「へ〜…」

しばらく沈黙が流れる。その射抜くような目が怖い…

る「僕の連れに何しているんですか?ダイス帝国の初兎さん？」

るぅとSide
先にさとみくん達に連絡しとかないと…るぅともしもし、聞こえますか?さとみ聞こえるべるぅと着きました、今日は遅くなるかもしれないです。さとみん、了解

そのままインカムをミュートにして僕も薬草を取り始めた。

〜数分後〜
る「ふぅ…」

この辺の必要な薬草はほとんど取り終わったから一回Aのところに行くか…
行く前にいつもお互いどの辺にいるかを共有しているので探す手間はまぁまぁ省ける。

る「あ、いた…ん？」

誰かに絡まれている？赤い軍服…Irregular Dice？まずいな…インカムをONにしてAのところに行った。

る「僕の連れに何しているんですか?ダイス帝国の初兎さん？」

初「おやおや、ルノア帝国のるぅとさんじゃないですか、別に何も？笑」

嘲笑うかのように聞いてくる彼に若干イラッとするが受け流す。

る「ふーん､なら話しかける意味なんてないですよね？」

初「ふっ､確かに笑でも心当たりはあるんじゃないですか？俺たちが"Rose"を探している…とかね」

る「さぁ？」

やはりそうきましたか…

初「あ、そうだ。Roseは近々我々が捕まえるので」

そう言って1本の赤地に白斑の薔薇を投げつけてきた。

る「…貴方達には渡しませんよ､大切な"家族"ですから」

これ以上言うこともないのでAを連れて去って行った。

…

初「どうだった？…"イムくん"」

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