勇気 ページ11
「帰っちゃダメ!帰らないで!」
俺の腰に回した腕に力を入れて、俺を帰らせないようにする彼女の腕をゆっくり外して、振り返ると今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめる彼女。
俺、ダメダメだな。
きっと、凄く勇気を振り絞って、いいよ。って、俺ならいいよ。って言ってくれたんだ。
彼女の頬にゆっくり手を添えて、泣き出しそうな瞳にキスを落とす。
「帰らない?」
『帰らない。朝まで一緒にいよう。』
俺の胸に体を預けてくる彼女を強く抱きしめる。
しばらく彼女を抱き締めて、体を少しだけ離すと、もう一度、濃厚なキスをした。
少しづつ、彼女の体から力が抜けていくのがわかって、唇を離すと、妖艶な瞳で俺を見つめる彼女。
すぐに、彼女を姫抱きして、ベッドの上に彼女を降ろすと、俺から顔を背ける彼女。
『A?』
初めて彼女を呼び捨てすると、ビックリして俺を見る彼女。
『A、好きだよ。』
「私も、ジェシーくんの事、大好き。」
『初めて言ってくれた。』
「え?」
『好きって、初めて言ってくれた。』
俺は、彼女への気持ちをいつも伝えるけど、彼女は俺に直接的な言葉は言った事がない。
俺が好きって言うと、いつも私もだよ。って言葉を言うだけで、その続きは聞かせてくれなかった。
きっと、今日も私もって言うと思ってたのに、ずるいな。
優しくしたかったのになー!
そんな余裕きっとない。
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作者名:らいち | 作成日時:2020年4月22日 20時