ライブレイク3rd (ページ28)

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第128話　届かない声ページ28

NO side
　

『人魚姫』と【契約】したヒカルこと、八乙女光

声の出ない自分へ不向きな力であったが、使うときだけは声が出せる

自分はこのような声だったのか、と生まれて初めて自覚できたのだ

この力を持っている自分は特別

そう信じて疑わなかった

しかし、増えていく自分以外の契約者

自分の特別感が水に流される泡のような感じで嫌気が差していた

そして長髪の男に声をかけられ、『ピノキオ』と【契約】

しかし、コータはそれを許さなかった

いくら特別になりたいからと言って二つ【契約】するのはルール違反だ、と言ってきたのだ

言い渡されたのは【図書館】からの追放

八乙女光は別に良かった

【図書館】から追放された契約者だなんて特別じゃないか‼︎

だったらこの二つの力を使って自分をより特別にするために契約者を殺そう

しばらく殺しているとユーヤから声をかけられた

自分たちも【図書館】から追放された契約者

俺たち以外の契約者を殺して最後にどっちが特別になるか戦わないか？

声を出せない八乙女光はニヤリと笑い頷く

いつか自分が特別だと認めさせるその日まで、他の特別を殺して行こう

いつしか自分を八乙女光だということを忘れ、ヒカルと名乗っていた

もし、もう一度八乙女光として生きれるなら？

その問いに答えなどない

『人魚姫』を失った八乙女光にとって答える術などないからだ