甘々苺と恋しません？２ (ページ8)

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★初詣　　ジェルくんページ8

つき様！ありがとうございます！

- 今年は… -

「いくでー！せーの！」

　ホイっ！というジェルくんの合図で一斉に開いたおみくじ。

「あぁぁぁーー！！」

　正面から車に轢かれた猿のような叫び声が聞こえてきました。

『静かにね、ジェルくん…』

　おみくじで、どうしてあんな声が出るというのだろう……。

「ももかっ！

　俺、大吉や！！！

　これ、凄いんよな！やったわぁーー！

　俺、今年すごいんちゃう！？」

　大吉と書かれたおみくじを持って、はしゃぐ彼。

　顔はもう、小学校最後の運動会で俺の組、勝ちました！くらいの嬉々感満載の笑顔です。

　そんな笑顔を見ながら、貴方の頬もゆるっゆるっになってたり。

　おみくじが引きたいと言っていた彼は、ワンマンライブが終わると貴方の手を引いて近くの神社に

連れてきました。

　おみくじだけでも引こうか、と買ったおみくじ。

「ももかはどうやったん？

　まさかっ…！俺と一緒の大吉……？」

　なんて、脳内お花畑さんがまた喚いております。

『あ。私、吉だった』

　なになに、恋愛運は……

『《その人こそがあなたにとって、素晴らしい人》……だって』

「俺やなっ！」

　キランッ！と効果音が付きそうな笑顔で見てきたので、スルーします。

「なんで無視するん！」

　なんか、うるさいけど。

　ジェルくんも自分のおみくじの恋愛運を朗読し始めました。

「俺はなぁ、《相手の優しさに惹かれてしまい、あなたは振り回されてしまうかも》やって」

『ほへぇー』

　適当に相槌打ちます。

『(別に、私が振り回すとか、ないでしょ？)』

　心の中でそんなことを考えている貴方。

　一応結ぶか、とおみくじを彼と一緒に結びます。

　他に行きたいところもなかったので、神社を後にしました。

「いやぁ、でも俺。あのおみくじ少し間違ってると思うわ」

『へ？どういうこと？』

「だって俺、ももかに惹かれた理由、優しさだけやなくて、

　全部やし。

　それに、もう振り回されとるしな。

　愛してんで」

　無防備な貴方の口に、チュッとキスを。

『/////////

　ほんと、ズルイッ……！』

「これからも、よろしゅうな？ももか」

　
　こちらこそ……。

　 fin.