甘々苺と恋しません？２ (ページ6)

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★初詣　　莉犬くんページ6

つき様！ありがとうございます！

- となりで手を -

「ねぇ、お願い事何にする？」

　お参りの参列に並んでいる途中、隣で赤い着物を着た彼が貴方に尋ねてきます。

　今日は彼氏の莉犬くんと新年初デート！

　インドア派の彼を外に出すのは大変でしたが、結果、こんなに楽しんでくれているので、良かった

です。

　そして、今はお参りをしようという事で参列に並んでいます。

　彼はお願い事があるらしく、誘った貴方よりうきうきしています。

『あれ？でも、お願い事って言ったら叶わないんでしょ？』

「えっ！そうなの！

　……じゃあ、俺、言わない」

　よほど知りたかったのか、あからさまにしゅん…(´；ω；`)とする彼。

『莉犬くんのお願い事、叶うといいね』

　フォローとして言うと、彼は満面の笑みで「うん！」と頷きました。

　心なしか、見えない尻尾がブンブン振られているようにも見えます。

　前の人たちが終わり、ついに貴方たちの番です。

　賽銭箱に、二人で小銭を投げます。

　まず深く、二回お辞儀。

　次に、手を合わせ、願い事をします。

『(今年も、莉犬くんと楽しく過ごせますように。

　彼の活動も、充実して取り組めますように……)』

　心の中で、そっとお祈りします。

　隣を見ると、ちょうど彼も終わったようで、最後に一礼してその場を離れました。

　しっかりと手を繋いで。

「ももか、真剣にお願い事してたね？

　叶うといいね」

　全て、彼関係なんですけどね。

『莉犬くんもね』

「んふふ、俺ねぇ、いっぱいお願い事した！」

　叶うかなぁ、なんていつの間にか粉雪が舞い始めた空を彼は見上げて言いました。

「ももかをもっともっと、誰よりも幸せにしたい……」

『ぇ、』

「！？

　あれ！？聞こえてた！？」

『ば、バッチリと…///』

　彼のボソッと呟いた一言、心の中で言ったはずが、思いが強過ぎて口からこぼれたようです。
　
　彼はとっても恥ずかしがって、顔を真っ赤にしていましたが、やがて貴方の方を向きます。

「そうだよっ、俺の願いはこれっ！

　でも！俺、なるべく神様の力じゃなくて、俺の力でももかを幸せにしてみせるから！

　その時まで、もうちょっと待ってて！」

　真剣な目で、貴方を見つめ言ってくれます。

　同じくらい顔の赤い貴方が頷くと、彼は優しそうに微笑みました。

　帰り道。顔が真っ赤の貴方たちが、小学生にからかわれたのは別のお話。

　 fin.