甘々苺と恋しません？２ (ページ20)

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★風邪　　莉犬くんページ20

柴犬/しぃ水犬/みぃ@青友同盟様！ありがとうございます！

- 同時は辛いです。 -

『大丈夫ー？…じゃないよね』

「うぅー、いたいー…」

　頭を抱えて唸るのは、昨夜、雨の中傘もささず走って帰って来て、案の定熱を出した

莉犬くんです。

　冷えピタを変えると辛そうにもう一度唸りました。

「うぅー。つらいー」

『うん、つらいね。でも、すぐ治るからね、大丈夫だよ』

　風を引くと、辛くて泣きやすくなってしまう彼は、看病している間、絶対に貴方の服

か手を掴んでいます。

　掴んでいても怒らないであげてくださいね。

　彼が寂しくなってしまうだけなので。

　ぎゅっと手を握ってあげると、彼が異変に気づきました。

「…ももか、なんか手熱くない？」

　ぎくっとして、彼の頭を撫でる手を止める貴方。

　彼はその行動に更に不信感を持ちます。

　実は、貴方も昨日、お風呂に入ってから髪の毛を乾かさず寝てしまったんです。

　朝から寒気がするなとは思っていましたが、熱もあるとは。

　しかし、ここは誤魔化した方が良いでしょう。

　貴方まで風邪を引いていると分かったら、貴方より重症の彼は絶対に無理をして看病

すると言い張ります。

　でも、

「何年も一緒にいるから」

　隠し事をしているとそう言って、絶対に見抜いてしまうのが彼なんです。

　ほら、今回も。

「ねぇ！熱あるじゃん！寝て！ほら！俺の隣きて！」

　バシバシとベッドを強すぎるくらいに叩く彼の行動は全部、貴方を思ってですよ。

　愛されているんです。

　貴方が渋々横になると、

「とおーいーよ！」

　本当に風邪引いてます？と聞きたくなるくらいの力で、彼の元へと。

「もう、隠し事はしないでね」

　毎回の如く、可愛く叱ってくれます。

　でも、心配かけたくないからまた隠し事しちゃうかも。

　なんて言うと、じゃあその時は叱ってあげる、と彼。

　隠し事もありかもしれない。口に出したら、怒られそうだけど。

　それからは、貴方と彼の二人だけの時間。

　最近、あまり話せなかったお互いの話とか。

　楽しみました。

　時間も忘れる程に。

　話始めて、数時間経ったのでしょうか、彼が小さく笑いました。

「たまには、風邪引くのもいいね」

　貴方が首を傾げると

「ももかと一緒にこうやって二人でいられるでしょ？」

　手を絡めて、貴方の鼻の上にチュッとキスを。

　なら、治るまでこのままでいましょう_____？

　 fin.