甘々苺と恋しません？２ (ページ14)

今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:225,431 hit

★小学生時代　　さとみくんページ14

本の猫様！ありがとうございます！

- ６分の５ -

　暗い黒い夜の道。

　私たちは五年生は、修学旅行に来ています。

「きゃあーー！！！」

　今は、修学旅行のメインディッシュ、きもだめしのお時間です。

　先に行った友達の悲鳴が道先で聞こえてきました。

　鳥肌がたってる……。

　私の学校は男女二人ペアで、近くにある神社に二人で名前を書くというものです。

　そこは昔、霊が出たとかなんとか…、きもだめし前、担任が怪談の時に言っていたものです。

『(なんで神社なんだよっ！)』

　なんて文句も言えず、私はとなりをチラッと見ました。

　今回の私のペアは、クラスの中心的人物、さとみくんです。

　お顔も、性格もかっこよくて、頭も良い方で、何より話していると楽しい。

　笑い方おかしいけど。

　でも、そんなさとみくんだから大丈夫そうなんて、謎の自信を持っている私。

　自分に大丈夫、と暗示をかけていると先生から行っていいよーなんて悪魔の号令が…。

「ももか、行こうか？」

　私を見て、背中をぽんっと軽くおしてくれたさとみくん。

　震えているであろう足を必死の思いで、前に出して歩き出しました。

「やっぱり暗いなー。

　………なぁ、ほんとに大丈夫か？」

　ガクブルの私に比べ、スタスタと歩いて行くさとみくん。

　着いてきていない私を不安がって、戻って来てくれました。

『だいじょぶじゃない…』

「だよなぁ。

　………手、繋ぐ？」

　不意打ちの一言。

　バッ！と顔を上げると、手を差し出しながらも顔を赤らめているさとみくんがいました。
　
「怖いんだろ？

　…つかんでろよ///」

　恥ずかしくて、同じく顔を赤らめている私の手を半ば強引に、自分の手と絡み合わせたさとみく

ん。

　何事も無かったかのように、歩き始めてしまいました。

「いやだったら、振りほどいていいから…。

　俺、解く気ないけど…///」

　さとみくんと私の顔は、見なくても分かるほどに赤くなっているんでしょう。

　なんて思ってる私も、繋いでいる手が心地良くて、強く握り返してしまっているんですが。

「もう、手繋がなくていいの？」

『あの時じゃないからもうだいじょ……ひっ！！！

　やっぱ繋ぐ～……』

「んふふふ、ももかには俺がいないとダメだねぇ。

　そんなとこも可愛くて好きだけど…///」

　さらっとかっこいい事を言ってくる彼は、あの頃より、もっとかっこ良くなりました。

　 fin.