★小学生時代 莉犬くん ページ13
本の猫 様! ありがとうございます!
- 6分の4 -
「はい、ももか。
こうかんね」
そう言って、目の前にすわっているりいぬくんが、わたしのお皿にのっかっているお野菜をおはし
でつまんでいます。
今は給食の時間。
みんながわちゃわちゃしている中、わたしとりいぬくんは給食の時間、とあることをしています。
『あ、じゃあ、りいぬくんのも取るね?』
わたしもりいぬくんのお皿にのっているしいたけをおはしでぱっぱっと取ります。
そうです!
わたしたちは毎日、給食の時間おたがいがきらいなものをこうかんし合っています。
わたしのきらいな、お魚。
りいぬくんのきらいな、しいたけ、にんじん。
本当は、こうかんのし合いっこはダメなんだけど、先生の目をぬすんでわたしたちはしています。
なんかそれが、少しドキドキして楽しかったり…?
でも最近、りいぬ君がこうかんをしなくなっていました。
理由を聞いても、目を右左とうろうろさせて、結局答えてくれません。
『りいぬくん、お野菜食べてあげようか?』
そんな日がつづいて二週間ほど。
わたしはもう一度りいぬくんにたずねました。
「えっ!
いや…だいじょーぶ。
おれ、自分で食べる」
ちょっとムスッとしておはしでお野菜をつまむと口に入れました。
食べたしゅんかん、かっこいい顔をゆがませています。
声をかけても、返ってくるのはだいじょうぶの一点ばり。
前みたいに、こうかんっこできないんだ………。
りいぬくんがわたしのを取ってくれることは未だにつづいているけれど、わたしが取ることはなく
なっちゃうんだ。
少し、いや。けっこうショック。
でも、りいぬくんがこんな行動をとった理由。
今のわたしにはわからないけれど。
「このおやさい、きらいなのー!たべないのー!」
「もう!しっかり食べなきゃダメだよ!
パパも嫌いだったけど、今は食べれるようになったんだよ?」
「えー?なんでー?」
「……ママにかっこよく見られたかったから!…//////」
『えっ!?そうなの?』
「えぇ〜!ぱぱ、ままのためにがんばったの?」
「ん/// そうだよー」
「ふーん。
じゃあ、ぼくもたべれたらままよろこぶ?」
『うん!かっこいいなぁって思うよ!』
「じゃあ!ぼくがんばる!」
「ん〜!!
俺も頑張るもん!」
彼がかっこよくなった秘訣は、語り継がれています。
fin.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
326人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:旭 | 作成日時:2020年1月2日 20時