甘々苺と恋しません？ (ページ7)

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★雨　　ジェルくんページ7

- 雨が降ってきた、 -

『あ、降ってきてしまった』

　会社から出た途端、黒い雲から降り出した、雨。

　今朝の天気予報をしっかり見ておけば良かったと、今更の後悔。

『(ジェルくんに迎えに来てって……無理か。

　放送中とかだったら悪いし。

　走ろう)』

　濡れたらダメなものがないか、最終チェックをする。

『よし、』

　気合を入れた時、

「ももかー！

　迎えに来たで」

　少し向こうから歩いて来たのは、彼氏のジェルくんだった。

『あれ、何でここに』

「雨降って来たから迎えに来たんよ。

　ほら、傘も持ってき…‥‥」

『あ』

　彼の手元を見てみれば、この前壊れた折り畳み傘が握られていた。

「これ、壊れてたんよね。

　ほんまにごめん。急いどって」

『ううん、迎えに来てくれただけでもありがたいし。

　じゃあ、コンビニ寄って帰ろっか』

「え？
　
　いいやん、相合い傘して一緒に帰れば」

『え、いや悪いよ』

　もししたとしても、絶対にジェルくんが傘傾けて濡れちゃうもん。

「…俺は大丈夫だから」

　私の考えを見透かしたように、頭に手を置きながら微笑んでくれるジェルくん。

『…じゃあ、お邪魔します』

「ん、どうぞ」

　スペースを空けてくれて、一つの傘に一緒に入る。

　十二月の雨は少し冷たかったけど、隣に温もりを感じるからか、とても心地よかった。

　 fin.