甘々苺と恋しません？ (ページ45)

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★ライブに行ってみた　　るぅとくんページ45

つき様！ありがとうございます！

- ファンとしても会いたいんです！ -

　周りを見れば、黄色の服、黄色の痛バック、黄色のグッズ。

　私の周りは今、黄色で溢れています。

　なんと今日は、彼氏のるぅとくんのワンマンライブなんです！

　内緒でお邪魔してます。

　こんな大きいステージで歌える程、人気になった彼。

　私の目の前のステージで力強く歌う彼。

　つい数時間ほど前まで、

「緊張するっ」

　と、貴方と抱きしめ合っていた彼とは思えない程、輝いています。

　そして、彼がファンサをする度に上がる、黄色い歓声。

　なんとなく、心がモヤモヤした貴方も

『るぅとくーん！』

　と負けじと叫びます。

　すると、るぅとくんが何かに気付いたように反対側から振り返りました。

　もう一度彼の名前を叫ぶと、彼は気付いてくれました。

「！」

　気付いた彼は、驚いたような、でも嬉しそうにふわっとした笑みをこちらに向けてくれました。

『るぅとくん！』

　彼の名前をこれでもかと叫ぶと、

　チュッ

　そんな音と共に、彼は自分の手首にキスを落としました。

　その手には、貴方とお揃いのブレスレットが。

　自分の手に視線を落とすと、手首で光っている、ブレスレットに目が止まります。

　これは、先月の《付き合って三年記念》で貰った、ブレスレットです。

　自分たちでデザインを考えて、世界で一つだけの自分たちのブレスレットを作りました。

　そして、お互い、これがとても嬉しく毎日つけるようになっていました。

「ふふっ、何気にお揃い初めてですね」

　照れ臭うに笑う彼にドキッとしたのを覚えてます。

『ライブにまでっ、』

　そんな彼が、私にだけ、私にしかわからないファンサをくれました。

　チュッ

　今は抱きしめられないけれど、お互いに心は一つ。

　そう思いを込めて、貴方も自分のブレスレットにキスを。

　 fin.