竈門家の忌み子の兄妹

24話･呼吸 ページ25

〜Aside〜

蒼希兄さんは師範の言うとおり、直ぐに起きてきた。


蒼｢師範、おはようございます。


って、Aもう、起きていたのか。｣


　『うん、早くに目覚めちゃって…』


実｢んじゃ、朝飯食べるかァ。｣


ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ


　







ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ









そろそろ、言わないとだよね…









ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ









　『どうして、兄さんはそんなに、焦っているの？』


蒼｢え？｣


　『だって、いつも急いでいるから…』


蒼｢だって、早く家族を守りたいだろう？｣


　『そう…だけど……本当にそれ、だけ？』









蒼｢だけってなんだ？だけって…


Aは、あの日あった鬼が家を襲っても、


今の俺らは守れるっていうのかよ。｣


　『ち、違うけど…』


蒼｢じゃあ、じゃあ、なんだよ？｣


　『兄さん…急がば回れって知ってる？』


蒼｢知ってるけど…｣


　『兄さん…急ぎすぎだよ。』


蒼｢でも、もしかしたら、今この瞬間にも、


鬼が家族を襲っているかもしれないんだぞ!?｣


　『分かってるよ…分かってるよ…』


蒼｢師範、ご馳走様です。


今日は…呼吸について教えて貰えませんか？｣


実｢…あァ。｣


実｢Aはどうする？｣


　『私は……冷静になる…』


実｢あァ、｣


〜蒼希side〜

なんだよ、A。


確かに、Aは家族の思い出とか…


俺よりはるかに少ないけど、


『守る』


って言ってくれたじゃん。


実｢…蒼希聞いてるかァ？｣


実｢蒼希ィ？｣


蒼｢あ、すみません…なんでしたっけ…｣


実｢だからァ、肺を大きくするんだ。


そして、剣の持ち方はこうだ。｣


蒼｢はい、すみません。｣


Aのことだって、守りたいんだよ…


Aのことを守るには


Aより強くなるしかないんだ。


だから、ほら。


心臓が飛び出そうでも、頑張らないと。


剣もしっかり持たないと。


実｢打ち込んでみろォ。｣


蒼｢はいっ、｣






木と木がぶつかった。





師範は少し驚いていた。




だって、









師範の木刀は折れていたから。

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大正コソコソ噂話〜甘味処〜


実｢今日は…甘味処行くかァ。｣


蒼｢え？｣


　『甘味処…』


実｢いつもの、おはぎが無いんだァ。｣


蒼｢なるほどです。｣


実｢んじゃ、行くかァ。｣


蒼｢はい！｣


　『はい。』

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